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October 31, 2009

点滴失敗で腕が腫れたら業務上過失傷害?


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カテーテル誤挿入で死亡 大阪の国立病院、人工心肺取り付け時

産経新聞 10月16日14時32分
医療事故のあった大阪医療センター=大阪市中央区

 大阪市中央区の国立病院機構大阪医療センターで、入院中の男性患者(69)が人工心肺装置を取り付ける際、カテーテルの誤挿入で血管を損傷、その直後に容体が急変し死亡していたことが16日、病院関係者への取材で分かった。病院側は医療事故として大阪府警に通報。司法解剖の結果、死因は出血性ショックと判明した。府警は業務上過失致死の疑いもあるとみて関係者から事情を聴いている。

 病院側の説明などによると、男性は10月5日、大阪市東成区大今里南の洗剤工場で作業中に起きた火災でやけどや一酸化炭素中毒などの症状で救急搬送され入院。翌日から肺の機能が低下して意識不明となり、11日午後から20代の男性医師ら2人が人工心肺装置を取り付ける緊急手術を実施した。

 人工心肺装置は通常、太ももの静脈から直径数ミリの細長い管(カテーテル)を心臓まで通し、酸素不足となった血液を抜いて人工肺で血液に酸素を注入。ポンプで循環させ、一時的な血流維持などに使われるが、病院関係者などによると、医師が男性の左太ももからカテーテルを挿入した際、誤って静脈を損傷した可能性が高いという。

 男性はこの直後に容体が急変し、約1時間後に死亡が確認された。病院は「医療事故があった可能性がある」として府警に通報。遺族にも経緯を説明し、謝罪したという。

 病院側は当初、男性の症状が重篤で、死因が急性肺障害などに起因する呼吸不全の可能性が高いと説明。ところが、司法解剖の結果、直接死因が血管損傷による出血性ショックだったことが判明し、府警はカテーテルの誤挿入が死亡につながった疑いもあるとみている。

 同センター管理課の斉藤三則課長は「懸命な延命治療を行った中で、不幸な結果となり残念だ。何が原因だったのか、危険は予見できたのかなど今回の問題を院内でもきちんと検証し、再発防止を図りたい」と話している。

 同センターは、国立大阪病院として発足とし、平成16年4月に独立行政法人に移管され、現在の名称になった。

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PCPSのためのカテーテル挿入と内頸静脈からのCVカテーテル挿入とは全く異なる。しかし,生きるか死ぬかの段階でのカテーテル挿入失敗で業務上過失致死の疑いなら,healthy patientの予定手術でカテーテル挿入に失敗して結果が悪ければどんな仕打ちを受けるやら。


私の独断による,麻酔科医のCVカテーテル挿入ポリシーにおけるステージ分類

I期(修行期):外科医に頼まれるまでもなく,CVカテーテルを積極的に入れたがる。 
II期(円熟期:I期よりもカテーテル挿入の適用範囲が狭くなる。
III期(不動期):重症and/or大手術でもCVカテーテルは入れない,もしくは入れてもCVPは測定しない。
IV期(覚醒期):外科医にカテーテル挿入を依頼された場合,もしくは自分が麻酔中にカテコラミンルートを必要とする場合のみ挿入。
V期(反発期):自分が必要とするときのみ入れる。外科医が依頼してきても「先生らが必要とするなら先生らが術前に病棟で入れておいて下さい。こちらはCVカテーテルを必要としないのにリスクだけ背負わされるのはゴメンです」
VI期(保身期):麻酔管理上CVカテーテルがあればありがたいと思っても自分では入れず,外科医が術前に入れるのを期待する。V期のことがあるので「麻酔科が必要とするので病棟で入れといて」とは言えない。ここで我慢すれば外科医が術前にCVカテーテルを入れるのがルーチン化する。


私は現在,もちろんVI期。

来週の症例もCVカテーテルが入っていればやりやすいのだけど...ここは我慢。

そのうち「CVカテーテルを入れていたなら助かったはず」とかいうおバカ判決が出たならまた考え直すとしよう。

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October 12, 2009

最近思うこと

休日
仕事の予定を記入したカレンダーはしょっちゅう見ているはずなのに,体育の日で三連休になることを先週末まで知らなかった。9月の連休では「その気になればこんなに長く休める」ということを誇示したくて週半ばの営業日も無理矢理休みにして次の土日と繋げてしまったが,さすがの私も内心「こんなに休んでいいのだろうか」と後ろめたくなった。

アンプル薬液吸い上げ専用管
アンプルを開封して薬液をシリンジに引く際,シリンジには注射針(大抵は18G)をつけているが,リキャップするときに針刺しすることがある。患者の体液が付着していない針なので感染の危険はないが,これから仕事が始まろうとするときに指が傷つくとなんだかケチがついた気になる。薬液をシリンジに引くだけなのだから先のとがった針でなくても構わない。
こんなものもあるようだが,これはバイアルの栓は貫通できるほどの鋭利さはあるようだ。
いっそのこと静脈留置針の外筒のような柔らかい素材で,しかも先が丸くなったもの,豆腐にすら刺せないようなものが発売されないか。バイアルの薬液を引くときだけ通常の注射針を使えばいい。

呼吸機能検査
スパイロメトリーの値が非常に悪い患者では大抵の場合,患者の理解力が悪くてちゃんと測定できていないことが多い。まともに検査を完遂できていて1秒量が500mLもないという症例はあまり記憶にない。というか,あの検査を最後までやり遂げた人なら全身麻酔は大丈夫だと思う。
スパイロメトリーの最大の利点は,検査結果に身長と体重が必ず記載されていること。

LMAプロシール
全身麻酔からの覚醒前には胃液を除去しておきたいのでラリマではプロシールを使っているが,これの挿入には難渋することがたびたびあり,「私にはラリマの才能がない」とあきらめていた。しかし,これを苦手に感じているのはどうやら私だけではないようだ。これに期待するとしよう。

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