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June 26, 2009

気胸? じゃ硬膜外カテはキューインワンに接続して

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医療ミス:痛み止め注射で肺に複数の穴 鹿児島で女性死亡

 鹿児島県鹿屋市の女性(77)が今月22日、同県肝属(きもつき)郡の医院で腰痛治療で痛み止め注射を受けた後、容体が急変し、死亡した。医院の院長(61)が25日、明らかにした。鹿児島大で実施した司法解剖で、肺に複数の穴が開いていたことが確認されたという。県警肝付署は業務上過失致死の疑いで、治療した院長から事情を聴いている。

 院長は25日の会見で「女性は体重36キロのやせた方で、針が深く入りすぎたかもしれない」と、注射ミスの可能性を認めた。

 院長によると、女性は22日午前、「右の腰が痛い」と来院。腰と背中の横に痛み止めの注射(針の長さ6センチ)を10カ所ほど打った。女性は帰宅後の午後4時半ごろ、「動悸(どうき)がする」と電話で訴えたため、院長は近くのかかりつけの医師で受診するように指示した。女性は受診先で死亡したという。【新開良一】

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この院長がどんな針を用いて何の治療を行ったかは知らないが,麻酔科医にとっては他人事ではない。

小柄の高齢者の胸部硬膜外穿刺では,パラメディアンでも皮膚から硬膜外腔まで3cm未満ということが珍しくない。記憶に残っている最短距離は2.4cm。方向を誤って4cmほども進めれば容易に胸腔に到達し,あの太い針先で肺を突き破るだろう。

中位胸椎では針先が頭側に向かうように寝かせないと“道”が見つからないときがある。そうなると硬膜外腔までの距離は伸びてくる。針先を進めるにつれて針側面のマーキングが皮膚の中に入っていく。3.5,4,4.5…。小柄な患者で5cm近くになると不安になってくる。「この感触は確かに靱帯内だが,あと5mm進めてだめなら撤退しよう」

硬膜外針独特の針先の形状と注意深いロスオブレジスタンスにより,針先は胸腔内だが肺を損傷せず,カテーテルも肺を破らず単に“きわめて細い胸腔ドレーン”状態になることがある。
私自身は経験ないが,X線不透過のカテーテルを使っていなければこれが明らかになるのは開胸手術,それも開胸側にカテーテルが迷入したときだけ。

「今日の硬膜外は全然効いていない」という場合,カテーテルは胸腔内かもしれない。

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Comments

最近は、CTも沢山撮影されていますし、パソコンでクリックすると簡単に距離計測できる機能もついているので、(電子カルテです。)事前に、何センチか測定して参考にしています。そもそもCTを見れば、皮膚から硬膜外腔までの距離よりも胸腔までの距離が短いケースはたくさんあるので方向は大事ですね。

Posted by: 麻酔科医 | June 27, 2009 at 08:49 AM

いつの日か,硬膜外穿刺に光学迷彩が応用されないかと思っています。

患者の背中をスクリーンとし,それに向かって複数のプロジェクターから立体映像を送ります。映像は各種画像検査を元に構築された,患者の脊椎の画像。患者の肩や腰に位置センサーが張られ,患者が背中を曲げるとそれに合わせて画像も動き,椎間が開くところも見られるとか。
最終的な微調整は実際の棘突起と画像上の棘突起とを一致,それも上下複数の棘突起を一致させれば精度は高まるでしょう。

皮膚と皮下組織が透明(に見える)ならド下手の私でも簡単に穿刺できそうです。

Posted by: 管理人 | June 27, 2009 at 10:40 AM

およそ20年前巨人のさる投手が鍼治療で気胸になっていましたね。
腰痛治療の針で何がおきたのでしょうか。
緊張性気胸か大動脈穿刺(なんちゃってDos Santos)か。

Posted by: Z | June 29, 2009 at 03:42 PM

解剖でわかるほどの穴だったということは,相当太い針を使ったようですね。

あるいは肉眼では見えるような穴ではなく,肺を水中でリークチェックして見つかったとか。

Posted by: 管理人 | June 30, 2009 at 12:56 AM

でも解剖って所詮、解剖でしょ。
解剖する前のCTとか撮らないんですか?
水中リークしてもリークテスト中にできた穴かもとからあった穴かわかるんですか?

Aiとかの客観的なデータが必要だと思います。

>患者の背中をスクリーンとし
コニカミノルタのこの製品だと
ttp://konicaminolta.jp/tech_info/nikkei_biz/index.html
http://konicaminolta.jp/tech_info/nikkei_biz/pdf/nikkei10.pdf
半透明の画像を視野に挿入できそうです。
あとは、どう、棘突起と同期させるかが問題ですね。
本人の3D脊椎画像を投影し、最近のプロジェクターの傾き補正機能などを応用すれば、すでに、夢物語ではないと思います。

ただ、医療のそれだけのお金が投資されないからできないだけ。

Posted by: 麻酔科医 | July 01, 2009 at 07:33 AM

そうですね。Aiの良い適用症例かもしれません。

Posted by: 管理人 | July 01, 2009 at 09:58 AM

遅レスですみません。
時効の話ですが、ある先輩が担当の肺切で 術野になんだか白い管が。
そう 硬膜外に入れたはずのチューブでした。
で 胸腔内でも少しは役に立つらしいです。

胆摘後の除痛に胸腔内への局麻投与って論文も抄読会で出た記憶があります。
 胸腔内に入れても効くんだそうです。

Posted by: くらいふたーん | July 09, 2009 at 04:50 PM

くらいふたーんさん,こんにちは。

抗凝固療法中か何かで硬麻を入れられなかった開胸手術のとき,手術終了時にドレーンと同じ穴から硬膜外カテーテルをいれて欲しいと思ったことがあります。

鎮痛薬がすぐに排液されないよう,先端の位置は離してもらう必要がありますね。

Posted by: 管理人 | July 09, 2009 at 07:40 PM

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