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May 27, 2008

プチトマトや巨峰はドーナツ型に


魚拓

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ガシャポン訴訟:バンダイナムコに賠償支払い 鹿児島地裁

 「ガシャポン」などと呼ばれる玩具入りカプセルを誤飲し、重度障害を負った鹿児島市の男児(当時2歳10カ月)の両親らが、製造物責任法(PL法)に基づき、製造元のバンダイナムコゲームス(東京都)に約1億800万円の損害賠償を求めた訴訟で、鹿児島地裁は20日、同社に約2626万円の支払いを命じた。高野裕裁判長は「安全性を欠いていた」と構造上の欠陥などを認定。玩具の大きさを定めた業界団体の基準見直しを迫る判断となった。

 原告側弁護士によると、玩具の誤飲でメーカーに製造物責任を認める判決は異例という。

 判決によると、男児は02年8月、プラスチック製の球状カプセル(直径40ミリ)を誤飲し、約30分後に除去したが、低酸素状態などによる脳障害で自力で体を動かせないなどの後遺障害が残った。

 同社は、日本玩具協会作成の安全基準が3歳未満対象の場合に直径31.8ミリ以上と規定していることを挙げ「安全基準を満たし、誤飲の危険はなかった」と主張したが、高野裁判長は「3歳未満の幼児でも開口時の大きさが4センチを超えることは珍しくない。事故防止には基準の直径では不十分」と指摘。構造上の欠陥については「のみ込んだ場合に備えて取り出しやすくするため、角形にしたり、気道確保のための穴を複数設ける設計が必要だった」などとした。

 判決は損害額を7954万円と算定。両親が事故防止の注意義務を果たしたとはいえないとして、同社の責任を3割とした。

 同社は「判決文が届いておらずコメントできない」としている。

 国民生活センターと同社によると、98年以降カプセルの誤飲事故は今回の1件のみ。07年に同種の玩具は同社で1400万個生産されたという。【大塚仁】

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直径40mmだと,私の指で2.5QFB程度。これを口の中に入れるのは大人の私でもある程度の努力が必要だと思う。おそらく,子供の両親もこれほど大きなモノを口の中に入れるとは思わなかったのだろう。もっと小さな玩具なら気をつけていたはずだ。

それにしても,日本玩具協会作成の安全基準(これが適切かどうかは私にはわからない)を余裕で満たしていたにもかかわらず,この判決。
トンデモ判決は医療に限らないようで,公平とも言える。

医療裁判では,脳出血には禁忌とされている薬(マンニトール)を投与しなかったという理由で過失とされたことがある。薬剤添付文書で「脳出血には使ってはいけない」と明記されているマンニトールを「使っていれば助かった可能性もある」と。使っていて結果が悪ければ「禁忌とされているモノを使った」と,鬼の首を取ったかのように責めるくせに。

ところで,最近のボールペンやサインペンのキャップには誤飲した場合も呼吸ができるように穴が空いているらしい。
http://www.tv-asahi.co.jp/zatsugaku/SP/answer_080402/4th/04.html

こんにゃくゼリーもそうだが,喉に詰めたものが工場で作られる製品だから製造物責任というポイントを攻撃しやすいのかもしれない。

これがプチトマトや巨峰だったらどうだったのだろう。「子供が丸ごと口に入れられないような大きさ,あるいは子供が喉に詰めても窒息しないような形に改良するべきであった」と農家が断罪されるのだろうか。

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May 25, 2008

UNHCRに相談しては


魚拓

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ネットカフェ生活者ら100人調査 貧困が貧困生む国

 NPO「釜ケ崎支援機構」が大阪市の委託を受け、大阪や高槻のネットカフェやファストフードなど深夜営業店の利用者や野宿経験者ら100人に聞き取り調査をした。生い立ちや仕事内容を詳しく聞く、全国でも例のない調査だった。その一部を紹介する。【松本博子】

 ◇妊娠「部屋を借りたい。しんどいよ」

 30代前半の女性は派遣会社に登録し、午前8時から午後5時15分まで働く。時給800円。高校卒業後、彼に「自立しろ」と言われて家を出るまでの10年はさまざまな仕事で母との生活費を稼いだ。ネットカフェは彼に「大阪で一番安い」と紹介されて使い始めたが、熟睡はできない。

 妊娠している。彼が病院に付き添ってくれると思ったが、朝電話したら「22時まで仕事をしていたのでしんどい」と言われ、一人で診察を受けた。彼には「(子どもおろすのに)なんぼ、かかるの?」と言われた。

 「ほんというたら、大切な命だから、殺すわけにはいかない。貯金が100万200万あったら……。頑張りたいのに」。4万円あった貯金は彼の借金返済に消えた。職場までの交通費は往復約500円。昼食に1000円。朝、夜はコンビニ店でパンなどを買う。使ったお金をノートに書き彼に見せている。

 「部屋を借りたい。しんどい、しんどい、しんどいよ」。調査の後、何度か相談の電話があったが、連絡は途絶えた。

 ◇食事は1回フリードリンク5リットルだけ

 勘当された実家近くのネットカフェを使う30代前半の男性。山口、香川、岐阜、埼玉県の工場で半年契約で働いた。「(半年を過ぎると)時給が上がるから。安い単価で使えるわけ」。今は派遣で週3、4日、働く。午後10時から午前10時までで7000~9000円。

 ネットカフェなら仕事も探せるし、漫画もある。最近の食事は1日1回、そばか、うどんだけ。ひどいときはフリードリンクで1日5リットルもジュースを飲む。「糖尿病になるのでは」と不安だ。

 ◇睡眠は4時間

 10代後半の男性は東南アジアで生まれ、家族で日本に来た。ホスト時代に知り合った客からもらう金で、主にネットカフェで暮らしている。

 定時制高校に進学。ラーメン店やゲームセンターなどでアルバイトをし、「食費も自分で稼いだ」。父は自動車製造会社でショベルカーを作っていた。家族で食事をとったことも「ないですね」。

 高校を中退し親のつてで工場に就職したが、重労働で辞めた。家に入れてもらえず、近くのコンビニで頼んで働かせてもらった。その時の店長が「一番信頼できる人」と話す。

 ホストクラブでは午後9時には出勤し、閉店は午前8時。睡眠は4時間。初任給は月3万円で、2カ月目は10万円だった。毎日飲む大量のアルコールをトイレで指を使い吐いた。顔色を隠すためファンデーションを塗ったことも。体がしんどくなり2カ月で辞めた。

 野宿はしたことがない。「そこまでは落ちたくない」と話した。
 ◇NPO聞き取り、大市大が報告書

 調査は昨年6~12月、大学の研究員ら延べ約400人が行い、大阪市立大学大学院創造都市研究科が298ページの報告書にまとめた。深夜営業店の利用者65人の中心は20~30代で、寝泊まりの場所としてネットカフェの他にファストフード店、サウナ、カプセルホテル、友人宅、路上などを挙げた。

 仕事の経験では、派遣会社の紹介は交通費や作業着などを自己負担させられ、住居付きの職場は寮費や布団代などを差し引かれ、結局お金が残らないと多くの人が訴えた。「住民票がない、住居がない、仕事がない、何を優先すれば安定した生活が送れるのか分からない」と悩む声も。

 結果をまとめた島和博・同大学院教授は「社会の最下層に貧困が貧困を生む仕組みがあり、若年層や特殊な地域に限られた問題では済まなくなっている」と指摘している。

2008年5月22日

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間違っても「カネもないのに妊娠するな」などと言ってはいけない。また,以下のような文言にツッコミを入れるのもよくない。

>彼に「自立しろ」と言われて家を出る
>朝電話したら「22時まで仕事をしていたのでしんどい」と言われ
>4万円あった貯金は彼の借金返済に消えた
>昼食に1000円

>勘当された実家近くのネットカフェを使う30代前半の男性
>ひどいときはフリードリンクで1日5リットルもジュースを飲む。「糖尿病になるのでは」と不安だ

>高校を中退し親のつてで工場に就職したが、重労働で辞めた
>午後9時には出勤し、閉店は午前8時。睡眠は4時間
>体がしんどくなり2カ月で辞めた


ちょっとでも批判的な感想を書くと,「強者の論理」「所詮エリートである医師には理解できない」と揶揄される。


「この妊婦さんの分娩を担当するというクジを引く,気の毒な病院はどこだろう」くらいは書いてもいいだろうか。

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May 24, 2008

聖地からJBM1件追加


魚拓

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<医療事故訴訟>出産時のミス認め賠償命令 福島地裁

5月20日20時8分配信 毎日新聞

 福島県立医大付属病院(福島市)で出産した次女が脳性まひになり、4年9カ月後に死亡したのは医療ミスが原因として、両親が病院を運営する福島県に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が20日、福島地裁であった。森高重久裁判長は「病院は直ちに帝王切開に移行できる準備を怠った」などとして、県に約7340万円の支払いを命じた。

 判決によると、同市の元会社員、幕田智広さん(42)の妻美江さん(41)が95年5月、同病院で分娩(ぶんべん)した際に子宮破裂を起こし、緊急の帝王切開手術で次女を出産。次女は低酸素血症で重度脳性まひの障害を負い、00年3月に死亡した。

 美江さんが以前にも帝王切開で双子を出産しており、次女が大きかったことなどから、判決は「子宮破裂などの危険性が高かったが、分娩経過を監視して緊急事態に備える注意義務を怠った」と病院側の過失を認めた。【今井美津子】

最終更新:5月20日20時8分
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95年5月というと,13年前の今頃。
当時なら既にICは重要視されていたはず。子宮破裂の危険性も説明されていただろう。

その日の経緯は関係者によってこちらに詳しく書かれている。医師を目の敵にしている誰かが「情報漏洩」とかで噛みつかなければいいが。

誹謗中傷とかで非難されたくないので,上の判決に対するコメントは書かない。
ただ,言えることは産科医にとっての明確なJBMの項目が増えたこと。しかし,私には何ら影響ない。大野病院の件があるので,私は周産期医療には一切かかわらないことにしている。

福島県立医大付属病院では今もVBACを行っているのだろうか? まだやっているとしたら…。

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May 11, 2008

妄想未来新聞24

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ICU常時満床で手術できず

L市民病院の集中治療室(ICU)のベッドがすべて重症患者で占められ,大きな手術を新たに実施できない状態が続いていることが明らかになった。

同病院では重症患者を収容するICUのベッドが20床あり,かつては大けがややけどを負った救急患者を受け入れていたが,3年前に救急医不足などの理由により救急医療を停止してからは同病院で心臓や脳などの大きな手術を受けた直後の患者を主に収容していた。通常は手術後の回復具合を見て2,3日で一般病棟に移されるが,手術中に脳梗塞を起こすなどして回復の見込みのない重体患者が徐々に増え,半年前よりすべてのベッドが人工呼吸器を外せない患者で埋まってしまった。そのため大きな手術を実施することも,一般病棟で病状が急に悪化した患者を収容することもできなくなった。同病院は地域の基幹病院として心臓外科や脳外科をはじめ,手術を行う外科系の診療科が8つもあるが,現在は手術後の管理が一般病棟でも可能な軽い手術しか行われていない。
ICUのベッドを長期間占有している患者のほとんどは脳死状態だが,医学上の理由から臓器移植のドナーに不適,もしくは家族が臓器提供を拒否している。これらの患者は人工呼吸器だけではなく,栄養や水分を補給する点滴,心臓の動きや呼吸状態を監視する装置などに継がれているため,一ベッドあたりの看護師数が少ない一般病棟では十分なケアを行えない。また,他院へ転送しようとしてもどこも引き取ってはくれない。その結果いつまでもICUで治療を受け,もっとも長くICUに収容されている患者は滞在期間が7年に及ぶ。

L市民病院仁下泰三院長の話
医療費の無駄遣いであることは承知しているし,患者の家族からも「人工呼吸器を早く外してくれ」と懇願されているが,医師は誰も犯罪者になりたくないので全身全霊こめて延命に取り組んでいる。賠償金をせしめるため,医療ミスで患者が亡くなるのを手ぐすね引いて待っているような家族もいるので,気を抜かず感染予防や栄養にも神経をとがらせている。

医療ジャーナリスト◎藤×也氏の話
助かる見込みのない患者に医療資源とマンパワーを傾注し,手術をすれば助かるであろう患者が見捨てられている。本末転倒も甚だしい。努力しても避けられない死があることを医者は忘れたのか。医療事故調や警察が恐いなら最初から医者になるべきではない。

医療崩壊問題に詳しい,◆◇大学の☆★教授の話
医学が進歩したおかげで,その気になれば何年でも生かすことができる。レスピレータを外して殺人罪に問われるよりは,無駄な延命治療を続ける方が数倍ましだ。それに,手術ができないと外科医も困ると思われがちだがそうでもない。難しい手術に挑んで不成功に終わった場合は医療事故調が待っているため,心臓外科医も脳外科医もやる気をなくしリスクの大きな手術を避ける傾向にある。大手術を実施できないのは外科医にとって好都合で,困るのは手術を待っている患者だけだ。
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May 10, 2008

逆襲の医シャア


魚拓

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【コラム・断】麻酔科医の逆襲
2008.5.8 03:33
このニュースのトピックス:コラム・断

 最近、病院に所属しないフリーの麻酔科医が増えている。医療機関と個別に契約して、手術のときだけ麻酔を請け負うのだ。これだと自分の予定を優先できるし、休みも取りやすい。当直もないし、緊急手術にも応じなくていい。それで年収が5000万を超える者も少なくないという。

 先日、大阪府下の公立病院で、麻酔科の常勤医を募集したが、年収は3500万円だった。他科の医師の倍以上の額である。フリーの麻酔科医を基準にするとそういう額になるらしい。

 今、多くの病院で麻酔科医不足のために、手術の件数が制限されている。外科医も看護師も手術室も空いているのに、麻酔科医がいないために手術ができないのだ。

 このような圧倒的な売り手市場を背景に、麻酔科医はどんどんフリーとなり、好条件の勤務を続けている。病院に残って割安の収入で、当直も緊急手術もこなす奇特な麻酔科医はいないものか。

 いや、それはむずかしいだろう。なぜなら、この状況はいわば麻酔科医の積年の恨みによる逆襲だからだ。

 私も麻酔科に所属していたからわかるが、外科医の中には麻酔科医を陰で軽んじる者も多いし、患者も直接病気を治さない麻酔科医にはめったに感謝しない。

 そういう歪(ゆが)んだ状況が、医療崩壊が進む今、麻酔科医の不足を招き、圧倒的な売り手市場を生み出しているのだ。その背景を知れば、フリーに転向する麻酔科医を、決して非難することはできない。(医師、作家・久坂部羊)

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フリー麻酔科医のひとりとして,上のコラムに対して私も何か意見を述べねばならないとは思うが,なんだか気が乗らない。

私も,締め切りに追われて何か書かねばならないという状況に追いやられたなら,このような主義主張が曖昧な文章を書いてしまうかもしれない。特にこの人のコラムは医師たちの間で評判がよろしくない。当人もそれを知っているはず。「フリー麻酔科医などけしからん!」とバッサリ切り捨てたいところが,医師たちの目を気にしてつい及び腰に・・・とか。

とにかくこの作家さんはお金をもらってコラムを書いているはずだから,「今週はネタがないのでやめておきます」とは言えない。「締め切りが迫っていて仕方なく書いたらこうなった」と善意に解釈しておこう。

私は「作家という職業の人はとにかく文章を書くのが好きで好きで,書きたいことが次々湧いて出てくる」ものと思っていたが,フィクションとコラムとでは勝手が違うのだろう。

ブログなら,気の向いたときだけに書きたいことだけ書けばよい。締め切りのないブログは気楽。そう言えばここのエントリーも久しぶりだ。

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