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March 24, 2008

たとえ無罪でも気は晴れない


魚拓

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帝王切開手術中死亡、産科医師に禁固1年求刑 福島地裁

2008年03月21日19時01分

 福島県立大野病院で04年、女性(当時29)が帝王切開の手術中に死亡した事件で、業務上過失致死と医師法(異状死体の届け出義務)違反の罪に問われた産科医加藤克彦被告(40)の論告求刑公判が21日、福島地裁(鈴木信行裁判長)であった。検察側は「産婦人科医としての基礎的な注意義務に違反し、医師への信頼を失わせた」などとして、加藤被告に禁固1年と罰金10万円を求刑した。

 検察側の冒頭陳述などによると、加藤被告は胎児を取り上げた後に胎盤をはがしたが、胎盤が子宮に癒着していたためなかなかはがれず、大量出血が起きたとされる。

 検察側は、加藤被告は事前に胎盤癒着の可能性が高いと診断しており、無理にはがすと大量出血の危険性があることを専門書で知っていたと指摘。胎盤をはがすのが難しいと判断した時点で、加藤被告には、子宮摘出に移る義務があったと主張している。

 一方、弁護側は、癒着胎盤はすべてはがしきるのが臨床の現場では主流であり、胎盤をはがすことによって止血も期待でき、加藤被告の医療行為は適切だったなどとして無罪を主張している。

 公判は、5月16日に弁護側の最終弁論で結審し、今夏ごろに判決が言い渡される見通しだ。
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http://www.ohmynews.co.jp/news/20080321/22400には,読むに耐えない検察側の罵詈雑言主張が並んでいる。
魚拓

あたかもK医師が極悪非道の大罪人かのような扱い。

その割には求刑は禁固1年と罰金10万円。このあたりに検察の自信のなさ,「しまった! やっちゃったー。やはり逮捕はまずかったかな」感が漂っている。「まさか無罪を求刑するなんてことは恥ずかしくて出来ないので,このあたりでどうでしょう。あとは裁判官にお任せしますよ」といったところか。

しかし,「医師への信頼を失わせた」などと,検察が恥ずかしげもなくよく言えたものだ。お前らに言われたのでは情けなくて涙が出る。

K医師に無罪判決が出されることを信じているが,それでも私の気は晴れない。

「逮捕・起訴されても有罪になるとは限らない」などと気休めを言う人がいるが,普通の社会人なら一度でも逮捕なんてされた日には地獄に突き落とされたも同然。社会的信用,仕事,時間など失うものは計り知れない。家族にも不憫な思いをさせる。警察はすべてをビデオ撮りされては困るようなやり方で取調べを行い,検察は人格さえも否定するかのようなストーリーをでっち上げる。


やはり逮捕なんてされたくない。自分が逮捕される危険を冒してまで救わねばならない命など,せいぜいこの世に2つか3つしかない。赤の他人では皆無。


京都大学では肺移植に関わった医師が3人書類送検されている。詳しいことがわからないのでその是非には触れない。ただ言えることは,刑事訴追の危険性を少しでも減らすには,難しい治療・患者が死ぬ可能性のある手技を避けること。何しろ,イチかバチかでやってはいけないというのだから。

しかし,患者の生命(およびこちらの医師生命)が危うくなると事前に予測可能な治療は避けようもあるが,割り箸の脳幹穿孔や胎盤癒着などのように,予見できない地雷疾患はどうすればいいか。万に一つの珍しい症例でも警察と司法がガイドラインを決めてくれればいい。警察も司法もいつも「このやり方は間違っている」「こうすれば助かったはず」などと決めつけて逮捕や断罪できる能力があるのだから,ガイドラインぐらい簡単に作れるはずだ。

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Comments

 もう日本では医師免許を持ったら臨床に携わってはいけないと思います。日本の医療は今後は、非医師によるボランティア活動かセルフメディシンによって負われるのが正しい姿なのでしょう。
 医療そのものには直接タッチせず医療周辺産業で活躍するというのが21世紀の日本の医師のあるべき姿なのではないでしょうか。

 それで困ることはないはずです。管理人様ご指摘のとおり日本の警察・検察・裁判官は医師よりも医学に精通しているらしいですから。・・・たとえば、分娩は自宅で各自行い急変したら警察に母体搬送すればどうでしょう。あるいは刑務所で刑務作業として受刑者を使って周産期センターを運営してもいいのでは。365日24時間確実にスタッフを配置できます。

救命救急センターに裁判官を常駐させるというアイデアもあります。治療方針について裁判官にお墨付きをもらってから着手するということにすれば、救急担当医師も少しは安心して働けるので、医師を医療に活用しやすくなる一つ方策になると思います。

Posted by: 東京メガテリウム | March 25, 2008 07:53 AM

東京メガテリウム様,こんにちは。

ココログのメンテナンスのため,レスが遅くなりました。申し訳ありません。

そうですね。警察も司法も「気道確保より手術を優先させろ」「剥離にクーパーを使うな」「大出血の最中でも処置を中断して家族に説明しろ」など,医師の常識では考えられないようなことを言ってくれます。このままだと今後も我々が想像も出来ないような難癖をつけて断罪してくれるでしょう。すべての医療行為について微に入り細をうがつようなガイドラインを,医師ではなく彼らが作るべきですね。

Posted by: 管理人 | March 26, 2008 11:33 PM

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