妄想未来新聞18
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診察前の患者に筆記試験
V県立X病院では,来月より初診患者では診察待ちの間に簡単な筆記テストを課すると発表した。
テストは○×方式で,医療だけでなく一般的な常識程度の問題も含まれる。テストの目的は,患者の健康に関する知識や考え方を参考にしてインフォームド・コンセントを進めるためとされている。設問は全部で50問で,その一部を以下に抜粋する。
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★以下の問いが正しいなら○を,間違っているなら×を記入してください。
●入院しているかぎり,人は死なない。
●患者が症状を訴えなくても,顔色だけで診断するのが医師のつとめだ。
●CTを撮れば,どんな病気も発見できる。
●CTを撮るだけで治る病気がある。
●医師がどんなにがんばっても,患者が死亡すれば業務上過失致死である。
●医師がミスをしなければ,どんな患者でも病気を治すことができる。
●警察がミスをしなければ,どんな犯罪でも犯人を捕まえることができる。
●誤診は,人の頭を蹴るのと同様,犯罪である。
●プロ野球選手のエラーは,人の頭を蹴るのと同様,犯罪である。
●医者にかかりたい患者が大勢いるのだから,医師は3日ほど眠らずに働くのはしかたない。
●遠くへ行きたい乗客が大勢いるのだから,パイロットは3日ほど眠らずに操縦するのはしかたない。
●病院で食事しているときに食べ物が喉につまったら,病院の責任だ。
●飲食店で食事しているときに食べ物が喉につまったら,店の責任だ。
●自宅で食事しているときに食べ物が喉につまったら,家族の責任だ。
●病院の廊下を歩いているときに転倒して骨折したら,病院の責任だ。
●自宅のなかを歩いているときに転倒して骨折したら,家族の責任だ。
●レストランで食事して食事代を払わないと犯罪である。
●病院で治療を受けて医療費を払わないと犯罪である。
●白内障で眼科にかかっていれば,胃がんや肺がんも見つけてもらえる。
●手術後はしばらく食事できないので,手術当日の朝食はいつもよりたくさん食べるほうがよい。
●タバコを長年吸っていても肺癌にならない人がいるので,タバコと肺癌は関係ない。
●在宅酸素療法中は新鮮な酸素が吸えるため,いつもより多くのタバコを吸っても構わない。
●糖尿病はおしっこが甘くなるだけの病気である。
●心の広い人は狭心症にはならない。
●人工関節の手術を受ければ,手術前より速く走れるようになる。
●ホテルやレストランなどに予約の電話をして次々に断られることを「たらい回し」という。
●救急隊が病院に患者受け入れの電話をして次々に断られることを「たらい回し」という。
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X病院我田守院長の話
テストというより,どちらかというとアンケートに近い。これで患者さんの知識や考え方が分かれば,それに合わせて説明の難易度を調整できる。高齢者など患者さん自身で記入が無理な場合はご家族の方にお願いする。テストには特に時間制限を設けていない。初診の待ち時間は平均4時間なので時間が足らないことはなく,むしろ退屈しのぎになるだろう。
医療ジャーナリスト◎藤×也氏の話
モンスター・ペイシェントを診察前に見分けるためのテストに違いない。低い点の患者には対面する前からレッテルを貼り,防衛医療に徹するつもりだ。患者の知的レベルによって治療方針を変えるのは差別だ。
医療崩壊問題に詳しい,◆◇大学の☆★教授の話
愚民どもの馬鹿さ加減をあなどってはいけない。実際,「医師がミスをしなければ患者が死ぬことはない」と公言して憚らない人間もいる。テストであまりにもひどい点しかとれない患者とはなるべく関わらないほうがいい。やむなく治療する場合は,針鼠のような防御姿勢を崩してはならない。
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