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December 30, 2007

妄想未来新聞1

単なる妄想です。

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21歳妊婦,未払いを理由に診療拒否

 ○◎県△▽市で■□日午後8時頃,下腹部に異常を訴えて△▽市民病院の救急外来を受診した21歳の妊婦が,過去の医療費未払いを理由に診療を拒否されていたことが分かった。

 妊婦の内縁の夫によると,妊婦は■□日午後6時頃パチンコ中に下腹部痛を訴え帰宅したが,午後7時になっても症状が改善しないため,内縁の夫が運転する車で△▽市民病院に向かった。しかし,病院の受付で過去の医療費未払いが確認されたため,病院側は診療を拒否した。妊婦は2年前に同病院で長女を出産しているが,分娩費など約40万円が未払いだったという。また,妊婦は一度も検診を受けておらず,かかりつけ医もいなかった。妊婦は内縁の夫が運転する車で約30Km離れた県立病院に向かい,同病院で治療を受けた。市民病院は紹介状も書かず,救急車の手配もしなかった。内縁の夫は「救急車だとたらい回しにされると聞いていたので,自分の車で病院に行った。それなのに拒否された」と怒りを露わにする。

△▽市民病院の*&事務長は「病院経営はどこも青息吐息。医療費をみすみす踏み倒されるとわかっていて受け入れることはできない。頭ごなしに拒否したのではなく,未払い分を今すぐ払ってくれたら診療すると説明した」と弁解している。

識者の意見
医療ジャーナリスト◎藤×也氏「医療費を払いたくても払えない人は多い。過去の医療費不払いを理由に診療を拒否するのは言語道断。『医は仁術』という言葉は死語となり,医師のモラルは地に落ちた」

医療崩壊問題に詳しい,◆◇大学の☆★教授「貧困者のセーフティーネットの整備は行政が担うべきであり,病院に責任転嫁すべきではない。公立病院の大半は赤字で,廃院も増えている。どの病院も施しをする余裕などない」
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December 29, 2007

有名人は東京に多い

医療崩壊は破竹の勢いで進んでいる。

もうすっかり知れ渡っているニュースなので,各社記事のタイトルと魚拓だけにする。

朝日
「30病院に拒まれ死亡 大阪の89歳 到着まで2時間」
魚拓

NHK
「29病院で救急拒否 女性死亡」
魚拓

産経
「搬送29病院に断られ死亡 大阪の89歳女性」
魚拓

読売
「救急搬送89歳死亡、大阪府が聞き取り調査開始」
魚拓

毎日
「救急搬送:受け入れ先2時間決まらず高齢女性死亡 大阪」
魚拓

なんと驚いたことに,あの産経や毎日まで「たらい回し」と表記していない。我々の地道な努力の成果か。次は「拒否」が「不能」になればいいが,これは難しいだろう。新聞記者が出張先のホテルの予約を取ろうとして,「あいにく満室で」と断られたら「宿泊拒否」と呼ぶらしい。

テレビのほうはどうかというと,夕方の某局のニュースで「救急車は患者の自宅近くの国道で2時間待機していた」とナレーションしながら,画面には「2時間迷走」「たらい回し」のテロップが堂々と貼り付けられていた。

それはさておき。

これだけ同じような「救急患者受け入れ不能」のニュースが続いても,一般市民の多くは相変わらず「医師のモラルの問題」で片付けるのだろう。マスコミがそのように報道しているし,何より理解しやすい。自分が逆立ちしてもなれない医師という職業へのルサンチマンも手伝う。そのうちまた,ネタに困った個人ブロガーが「人の命を救うのが医者だろ」「高い給料もらっているくせに」「満床は理由にならない」などと得意げに書く様が思い浮かぶ。「医者のモラル低下が理由でないなら,何が原因なんだよ」とか反論する情報弱者もいるかも知れない。

一般市民だけでなく,救急隊(消防署)も怪しい。

医師不足や医療費抑制・トンデモ裁判など,救急に腰の引ける医師側の事情,さらには救急医療体制の不備が行政の責任ということくらいは消防署もわかっているはずだが,「本当に何も知らないのではないか」と思えるフシもある。知っていても知らんフリなのか,組織としての防衛本能が医師を悪者にしようとするか。
消防署が行政を非難することができないのは無理もない。そしてもちろん「自分たちは悪くない」を主張したい。自分たちが悪くないことを示すには誰かに責任を負わせなければならない。上手い具合に,マスコミは「医師悪玉説」を呪文のように絶え間なく唱え続けている。これに便乗しない手はない。姫路でも搬送を断った病院を公表し,ハードルは低くなった。「よし,この手で行くぞ」といったところか。

妊婦搬送受け入れ不能に関しては,「そのうち珍しくなくなる」と今年9月に書いた。
http://anesthesia.cocolog-nifty.com/freeanesthe/2007/09/post_87c0.html

このとき(約4か月前)は,16病院に断られて搬送に1時間かかったことでニュースになっていた。しかも,切迫流産にはなったらしいが母親や児が死亡したという報道はなかった。

イラクの自爆テロや日本国内の交通死亡事故は毎日のように発生しているが,被害が小さいとベタ記事にもならない。来年の今頃,いや半年後,新聞に掲載される「救急搬送受け入れ不能」事件はどの程度の規模だろう。50病院? 4時間?  これらの数字が小さくても,新聞で大きく取り上げられることがある。それは,搬送患者が有名人の場合。

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December 24, 2007

そんな,ランボーな


魚拓

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オフタイム:年末ワイド版 救急搬送拒絶=松本惇 /福島

 ◇患者から逃げない

 「我々は患者から逃げない」

 福島市の救急医療病院群の協議会が臨時会合を開いた後、有我由紀夫会長(大原綜合病院院長)は、救急患者の受け入れ徹底に強い決意を述べた。

 市内で11月、交通事故に遭った79歳の女性が救急搬送の際に4病院から受け入れを断られ、その後死亡した。「集中治療室(ICU)が満床だった」「専門医がいなかった」ことが受け入れ拒否の理由に挙げられ、協議会では「システムが整っていない所でも患者を受け入れるべきか」という意見も出た。有我会長は「患者をすぐに診なかったことが問題。満床は理由にならない」と早期診察の重要性を指摘した。

 全国の医療関係者には、県立大野病院の医療事故で加藤克彦被告(40)が逮捕・起訴された衝撃が今も残っている。協議会に参加したある医師は「大野病院の事故のように善意でやっても報われない。自分の施設では無理という判断もあるのでは」と複雑な心境を吐露した。

 厚生労働省は2010年度をめどに「医療事故調査委員会」(仮称)を発足させるが、専門家により事故の真相が解明されるという期待の一方で、身内同士の隠ぺいも懸念されている。

 大野病院事故で死亡した女性の父親(57)は「病院側から十分な説明がなかった。真相解明の機会を与えてくれた警察に感謝している」と話している。

 医師がすぐに診察してくれることは、患者や家族にとって心強い。さらに医療事故の際にも、事故と向き合い説明責任を果たすことが、本当に「患者から逃げない」ことになることを忘れないでほしい。

毎日新聞 2007年12月23日

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聖地の貫禄というものか。

長野県諏訪市では,10年前に末期の胃癌(余命3か月)で死亡した,当時84歳の患者の遺族が慰謝料2,000万円を求めて提訴している。

末期癌で死亡した84歳のケースでも訴訟になる昨今,経過が急激で医師と患者側との信頼関係が築きにくい救急医療において「患者から逃げない」「満床は理由にならない」とは。

「医師が懸命に働けば,結果が悪くても患者側は納得してくれる」とでも本気で思っているのだろうか。大野病院の件では何も学ばなかったらしい。老眼のように,近すぎると見えにくいものなのか。それとも核爆発のように,強烈過ぎて直視できないのか。

患者から逃げないという姿勢は平日昼間の医療でも実践できる。何も当直という名の夜勤で行う必要はない。危険なボランティアを強要されるいわれはないはずだ。

心配なのは,福島の救急医療病院群に勤務している先生方がもはや正常な判断能力をそぎ落とされているのではないかということ。

昔,「地獄の七人」という映画があった。「ランボー 怒りの脱出」のチームワーク版といったところで,ベトナムで悲惨な捕虜生活を送っているであろうMIAを助けるため,クセのある専門家七人がベトナムに潜入するという話。艱難辛苦の末,やっと捕虜の元にたどり着いたとき,その捕虜は救出者に向かって「ダメだよ。ここの畑仕事しなくちゃならないし」。救出者は「アメリカにも畑はある」と言いながら捕虜を引きずり出した。

福島以外にも病院はある。

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December 21, 2007

医師は気胸発生を予言できる?


魚拓

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足利赤十字病院の心臓手術男性死亡:男性医師を不起訴 「十分な証拠なし」 /栃木

12月20日11時0分配信 毎日新聞

 ◇地検、男性医師を不起訴
 足利赤十字病院で04年6月、心臓のバイパス手術を受けた足利市の男性(当時73歳)が、3日後に死亡した問題で、宇都宮地検は19日、業務上過失致死容疑で書類送検された元同病院勤務の男性医師(34)を嫌疑不十分で不起訴処分とした。
 同地検は、医師の過失行為の存在や因果関係を認める十分な証拠を得られなかった、とした。
 死亡した男性は、狭心症のため心臓の冠動脈バイパス手術を受けたが、04年6月26日、気胸による呼吸不全で死亡した。バイパス手術は別の医師が担当し、送検された男性医師は術後の管理を担当していた。
 県警は、レントゲン写真を精査すれば男性が気胸を発症すると分かったにもかかわらず、男性医師が適切な処置を怠ったと判断、書類送検していた。【山下俊輔】

12月20日朝刊

最終更新:12月20日11時0分

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相変わらず,医療上何が問題だったのかよく分からない記事。

>県警は、レントゲン写真を精査すれば男性が気胸を発症すると分かったにもかかわらず、男性医師が適切な処置を怠ったと判断

大きなブラでもあったのだろうか? しかし,胸部XPをちょっと見ただけでは分からないが,精査すれば見えてくるって,どんなブラなんだよ。 仮にブラが存在していたとしても,必ず気胸を発生するとは限らない。できれば陽圧換気は避けたいが,CABGでは難しい。

そもそも,“レントゲン写真を精査すれば気胸の発症が分かる”って,医者というより占い師だ。

不起訴処分といっても心の底から喜べるものではない。一歩間違えば罪人。

他人事ではない。喫煙歴50年以上,COPDバリバリの高齢者など珍しくもない。そんな症例に挿管して陽圧換気した後,気胸になって死亡したら,書類送検が待っている。

医師はemphysematousな胸部XPを見たら,犯罪者に成り下がる危険を考慮しなくてはならない。外科が撤退し,ウロ・ギネ・オルトなどが全麻の手術を行っている病院もあるが,胸腔ドレーンを入れられる医師がいない病院では全麻手術は避けるのが賢明かもしれない。

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December 20, 2007

ぽっと出の聖地候補には負けない


毎日楽しみにしている人気ブログ(中間管理職様,いつもお世話になっています)のコメント欄。
http://ameblo.jp/med/entry-10056298993.html


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■もはや現実です

悪名高き福島県の勤務医です。
もはや、おそれていた事態に突入です。
救急隊は、こちらの状況におかまいなく
患者を送るようになりました。
今、心肺停止の患者の治療中でみられません。といっても、ことわらない約束です、と
もう、玄関まで救急車がきています。
訴えられない内に、当直勤務のない病院に逃げ出そうと、本気で考えています。
Dr. mama 2007-12-13 15:40:46

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かの有名な福島県立大野病院は双葉郡というところにあり,福島市とは離れている。したがって大野病院の件で「聖地福島」と呼称する場合は,福島市ではなく福島県を指すことになる。

しかし「消防から救急患者の受け入れを打診された病院は,原則として拒否しないことを決めた」のは福島市救急医療病院群輪番制運営協議会。

上のコメント主は「悪名高き福島県の勤務医」としか書いていないが,内容から推察すると福島市内の病院に勤める勤務医だろうか。それとも,病院の事情を無視した救急搬送受け入れ義務が福島市以外にも適用されるようになったのか?

県か市かはともかく,さすがは聖地福島。

最近は兵庫県姫路市が注目を浴びているが,「昨日今日騒がれるようになったばかりの新参者に聖地の座をそう簡単には譲れない」という意気込みが感じられる。

とにかく,このあたりの医師は有事におけるリスクマネジメントを整えた上で救急医療から速やかに撤退するべきだろう。ここで言う「有事におけるリスクマネジメント」とは,もちろん自分や自分の家族が急病や大けがをしたときの対処である。10年に1回あるかないかの一大事に,友人・先輩・後輩・かつての職場など,ありとあらゆる人間関係を総動員してもバチは当たるまい。残念かつ当然ながら,この方法は普段の救急医療には使えない。

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December 17, 2007

産経新聞の所業

ずいぶん昔のことなので,正確ではないかもしれない。
たぶんアサッテ君だったと思う。

1~3コマ目がどういう図柄だったか覚えていない。4コマ目はバキュームカーが走り去り,それをアサッテ君が鼻をつまみながら見ているというオチだったと思う。

当時,私は高校生か大学生だったと思うが,4コマ漫画の典型的オチには見えず,単にバキュームカーの臭さを笑いにしているように感じた。

し尿処理業者から「し尿処理業を侮蔑するものだ」という抗議が寄せられたらしく,新聞社は翌日(または翌々日)に謝罪と釈明の記事を載せた。

「当日は文化の日でした。日本は他の先進諸国に比べて下水道普及率は高いとは言えず,作者の意図は,『文化の日を祝うのもいいけれど,文化国家の証しのひとつとも言える下水普及率が日本は意外に低いのですよ』という皮肉を込めたものであり,決してし尿処理に従事する方々を侮蔑する意図はありません。しかし,誤解を招く内容であったことをお詫びします」
確かこんな感じだった。

Photo


さて,今回産経新聞社はどういう態度をとるだろう。

私は中間管理職様の主旨に賛同いたします。
http://ameblo.jp/med/entry-10060643264.html

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December 15, 2007

もっと実のある話はなかったの


魚拓

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姫路の救急搬送拒否死亡:再発防止へ最善の努力 市など、早めの受診啓発へ /兵庫

 姫路市の男性(66)が急病で救急搬送された際、病院に受け入れを断られ死亡した問題で、市と市医師会は12日夜、同市西今宿の医師会館で会合を持ち、医師不足で医療施設がぎりぎりの業務を強いられていることを踏まえたうえで、再発防止のため医療、救急隊、行政が最善の努力をしていくことを確認した。

 会合には今回受け入れを断った病院長を含む医師会側約30人、市健康福祉局、消防局から約10人が出席。終了後に会見した空地顕一・医師会副会長は「医師不足で疲弊している現場は精いっぱい救急医療体制を支えてきたが、不幸な要因が重なり今回の事態が起きた」と述べた。

 会合で病院長らから、勤務医が個人開業したり、大学から派遣されていた中堅医師が引き揚げられたりして医師不足が常態化しているとの声が相次いだ。背景には厳しい勤務条件と患者からの訴訟リスクなどがあるという。夜間の重症患者のための輪番病院は、2床の空きベッド待機料として市から数万円の委託費が支払われているが、病院側の経済負担は賄われていないなどの訴えもあったという。

 再発防止策として、救急隊が搬送先を探す際に診療科を限定せずに判断し、患者や家族に対しては早めの受診や救急要請、軽症の場合は市の休日・急患センターで受診するなどの啓発を進めることなどを確認した。【石川勝己】

〔播磨・姫路版〕
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何もしないよりは,医師会と市健康福祉局,消防局が一堂に会して話し合うのは有意義かも知れない。

しかし,

>勤務医が個人開業したり、大学から派遣されていた中堅医師が引き揚げられたりして医師不足が常態化している

>背景には厳しい勤務条件と患者からの訴訟リスクなどがある

こんな当たり前なことを今さら報告されても。

とにかく,医師会・市健康福祉局・消防局の三者でいくら協議しても医師は増えない。というより,むしろ救急医療に従事する医師をさらに減らしたいらしい。

>再発防止策として、救急隊が搬送先を探す際に診療科を限定せずに判断し

循環器と脳しか診ないと言われている三次救急の病院に,妊婦も送るのか。

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December 13, 2007

何もせんほうがいい


「日本沈没」という作品がある。言わずと知れた小松左京氏の小説。1973年に映画化され,2006年にリメイクされた。1975年にはテレビドラマにもなった。

最初は日本のどこかで異常が見つかり,どうやら日本が危ないということに一部の人間が気づく。そして対策に奔走する政府関係者や民間人の人間ドラマの合間に,日本のあちこちで発生する天変地異が描かれる。天変地異は終盤に向けて頻繁かつ大規模になってくる。

対策に奔走する政府関係者がいないことを除けば,今の日本の医療とかぶってしまう。

産科や小児科の閉鎖は,「日本沈没」では小さな地震といったところで,いちいち描かれない。

大規模な火山噴火,大地震,津波が起こった土地をざっと挙げてみると,

京都府舞鶴市(説明不要)
福島県(説明不要)
北海道(小規模噴火が多数といった感も)
神奈川県(内診問題)
奈良県(説明不要)
三重県尾鷲市(三千万で助教授が飛んでくる)
兵庫県(噂は多いが,今のところ表面化しているのは姫路の救急と加古川のAMI訴訟のみ?)
沖縄県久米島(来年4月以降は医師1人)

ぐらいだろうか。大事なところを忘れているかも知れない。

そして,今度は広島県呉市


魚拓

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2病院集約に広がる不安 呉圏域の産科医療問題 '07/12/7

 呉圏域での産科医療集約化問題で、産科がある呉市の公的3病院のうち呉共済病院の産婦人科を休診し、他の2病院に集約する広島大と県の方針に対し、市民の間に不安が広がっている。小村和年市長や市議会も相次いで集約化に反対の意向を示した。方針を承諾した市や医師会などの関係者も「市民にとって3病院体制の維持こそ望ましい」と本音を漏らす。

 ▽市民目線で最善策議論を

 「第二子を授かったら体質などを把握してもらっている共済病院で出産しようと思っていた。お産はあきらめなくてはならないかも…」。呉市内の主婦(33)は第一子妊娠の際、緊急入院した経験があり、産科休診方針にショックを隠せない。

 突然表面化した「集約化」に、市民の困惑は大きい。子育て支援などの活動をする市民グループ代表の山本和子さん(43)=呉市焼山南=は「二病院では不安が大きく、深刻に悩んでいる妊婦は多い」と心配する。

市議会でも撤回の声

 三日に開会した呉市議会の定例会でも、市議から「集約化の撤回を」「広島大以外で医師確保ができるよう、市は要請してほしい」との声が上がり、現状打開を国に求める意見書提出も可決される見通し。また、小村市長も共済病院存続を前提にした三病院体制の維持に強い期待を示し、働き掛けを強める意向だ。

 広島大などの集約化方針が示されたのは、十一月末にあった市や医師会などで構成する呉市地域医療検討専門部会と呉地域保健対策協議会。広島大が共済病院から医師を引き揚げ、国立病院機構呉医療センターと中国労災病院に医師派遣を集約する提案を、これらの会で承諾したのだ。

 ある委員は「やむなく承諾したが地元には否定する権限すらなかった。結論ありきのようだった」と嘆く。両会の代表を務める呉市医師会の豊田秀三会長も記者会見で「本当は抵抗したかったが勤務医の過重労働問題もあり、のまざるを得なかった」と無念さをのぞかせた。

 集約化後は民間の二病院を含む四つの医療機関で分娩(ぶんべん)を担う見通し。圏域の分娩は昨年度が公的三病院で千七百九十三件、民間二病院で四百九十五件だった。

医師不足 影を落とす

 委員で市福祉保健部の中本克州部長は「医師一人で四百件を扱う民間病院もある。ハイリスクと正常分娩を分けるなどして共済病院存続は可能ではないか」と指摘する。

 医療機関が充実した呉市でも医師不足は影を落とし、全国的な集約化の流れの中で国や県が呉圏を先駆例として注目しているのは間違いない。ただ地元では地域事情が反映されない「集約化ありき」の動きは、本末転倒だとの受け止めが強い。

 集約化は危機を乗り切る緊急措置の一つかもしれないが、機能の分担や助産師の有効活用など検討に値する手法はある。市民にとって何が最善策かを、とことん協議する姿勢が求められている。(吉村明、増田咲子)

 ●クリック 呉圏域の産科集約化

 広島大が呉共済病院に派遣していた医師3人を引き揚げ、来年4月から、国立病院機構呉医療センターと中国労災病院に集約する。医師数は呉医療センターが現在と同じ7人、中国労災病院は2人から6人に増やす。

【写真説明】広島大と県の産科医療集約化方針を承諾した呉地域保健対策協議会
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呉市の部長が「医師一人で四百件を扱う民間病院もある」と公言したくらいでは天変地異とは言えないか。地面に亀裂が入った程度?

「日本沈没」なら,そろそろ変わり果てた東京や大阪の様子が映る頃。

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December 12, 2007

高偏差値性悪説

個人のブログでは思ったことを自由に書いていいはず。誤解や思いこみもあるだろうし,立場が違えば考え・意見も異なるだろうが,公序良俗に反しなければ大抵の文章は社会の許容範囲に収まる。

いろんな方のブログを拝見していると,マスコミの“たらい回し”報道を見て,いまだに「医師のモラルの問題」と,幸せな誤解をされている方をお見受けする。私はヘタレなので,彼らのブログにコメントなどしない。医師の誰かが理路整然とした文章で反論のコメントをしても,「感情的だ」「強者の理論だ」に始まり,最後には「こんなところで愚痴書いてる暇があったら,医療崩壊阻止に向けて何か行動を起こせ」などのレスがつくのを何度も見てきた。とてもじゃないが,私のヤワなハートでは耐えられそうにない。

彼らの言い分のなかで笑えるのが

>たいへん頭のいいやつか、お金持ちしか、医師になれない。
>普通の頭でも構わないので、本当にに患者を救いたい気持のある人が医師になればいい。
>お金儲けのためでなく,命を救うという志のある人が医師になれる教育システムが必要。

“「普通の頭の人」性善説”というか,このような意見はあちこちで見られる。

とても頭のいいヤツは医者に向いていない,家がお金持ちのヤツも医者に向いていないと言いたいらしい。最低レベルの私立医学部がどの程度の学力で受かるのか詳しくはないが,昔と違って財力だけでは入学できないと聞いている。もちろん私立医学部の入学難易度もさまざまだが,有名私立中高一貫校の平均クラスの子でも中堅の私立医学部に落ちたという話もよく聞く。

私立医学部では卒業までにお金がかかるというのは事実だろう。それの何がいけないのだ。医師になった後,学費分を取り戻そうと金儲けに走るからか? そんなことをするヤツは本当の金持ちとは言わない。かつての開業医に代表されるような金持ちは,私立医学部の学費など惜しいとは思わないはずだ。それにしても,実家が資産家だと優れた医師になれないというのはどういう理由なのか。良家の子息で,お金にガツガツしない人こそ医師に向いていると考えることもできる。

百歩譲って,「お金持ちの医者は貧乏人の気持ちが分からない」という意見を認めるとしよう。それならそれで,「お金がなくても,頭が良ければ(努力も必要だが)医師になれる」システムはきわめて健全ではないか? 「ゆとり教育のせいで,公立高校からは国公立医学部に合格しにくくなった」という文句は文科省に言えばよい。学力は国公立医学部に受かるに充分だが,国公立と言えども6年間も大学に行くお金がないから医学部受験を諦めたという人は,私の周りでは聞いたことがない。聞いたとしても,「本当にお金だけの問題だったの?」と陰で嗤うのは私だけではないだろう。私の大学の同級生にはお金持ちもいたが,プロレタリアートの子弟も大勢いた。
DNAの比重も少なくないが,高校程度の学業の努力次第で医師になれるシステムは平等だと思う。

それに「ホントに患者を救いたい気持」や「命を救う仕事としての志」をどうやって定量評価するのだ。頭の悪いヤツが医師になりたいばかりに「やる気」を偽装することなど,食品の製造日を偽装するより簡単だ。証拠が残らないし,自分さえ黙っていれば内部告発もない。

うまく「やる気」を偽装し晴れて医師になったはいいが,薬剤の濃度の計算もできない人間が点滴の指示を出す悪夢を想像すればよい。タレントのおバカぶりを売りにしているバラエティ番組では,「距離÷時間=速度」を知らないような者(やらせ?)も出演しているが,彼らでも「やる気」があれば医師になれる世の中でいいのか。

結局,「偏差値」というものは叩きやすい。「記憶力が良くて,教科書の知識はもちろん,次々新登場する薬や病気の知見を覚えることができ,蓄えた知識を合理的に応用して未知の事象に対処できる能力」などとすると叩きにくいが,短く「偏差値」とすることで悪役に一変する。さらに「私立中高一貫校の詰め込み教育」「受験戦争の勝者」「エリート」「紙と鉛筆だけのお勉強」などのキーワードもちりばめれば効果的だ。「数学ができる」も「数字だけが得意」→「対人関係は苦手」という連想を期待できる。

もちろん医師としての能力と,高校時代の学力とは別だろう。しかし,私は「学力は医師になるための十分条件ではないが,必要条件」だと信じている。勉強は苦手だけど人の命を救う仕事に就きたいなら,医師以外の道もある。*******,#####,$$$などを目指せばよい。

高偏差値性悪説を唱える人は「どうしようもないバカまで医者にしろとは言ってない。センター試験である程度のラインを決めて,それ以上の学力があれば,やる気次第で医師にすればよい」と反論するかもしれない。
では,その“普通の頭の人”と“どうしようもないバカ”との境界線はどこに引く? 満点の70%,60%,まさか50%? 足切りを免れた上位者のなかでの「やる気」の評価・選抜は? 心理テストと面接を何回続ければ良心を定量評価できる? 1週間泊まり込みで高齢者の介護でもさせるか? そうなると体力のある者が有利になる。

医学部の6年間が長いか短いかという問題はここでは触れない。医学部入学を簡単にし,医師国家試験を今よりムチャクチャ難しくするという方法もある。あるいは医学部を卒業してなくても超弩級難関医師国家試験に合格すれば医師免許を授与するという方法もある。それでも結局は学力,それも知識詰め込み暗記型の学力の優劣で決まってしまう。数学・英語・理科(センター含めて2~3科目),社会(センターで1科目?),国語(2次試験でも受験科目とする医学部もある)で勝負する現在の大学受験のほうが,バランスのとれた人材を得られる。

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December 09, 2007

最高の演出


魚拓

アサヒ・コム
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テレ朝「報ステ」 マクドナルド報道で謝罪

2007年12月08日00時41分

 テレビ朝日は7日に放送した「報道ステーション」の中で、同番組が先月に報じた日本マクドナルドの調理日時改ざん問題についてのインタビュー映像が不適切だったとして、古舘伊知郎キャスターが謝罪した。

 テレビ朝日によると、11月27日の放送で、マクドナルドの直営店で働いていたという元店長代理の女性が、フランチャイズ店だけではなく直営店でも一部商品の調理日時の改ざんがあったと証言。顔は映さず声も加工していたが、マクドナルドの店員の制服を着て「店長代理」の名札をつけていた。制服と名札は女性が保管していたもので、番組担当者の判断で着てもらったという。

 放送を見た視聴者から「辞めた人が制服を着ているのはおかしい」などの指摘が寄せられた。

 テレビ朝日広報部は「女性の証言内容に間違いはないが、映像表現として適切さを欠いた」としている。

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見事な演出だ。調理日偽装を暴く報道で自ら偽装を行うなんて,人並みはずれたセンスの持ち主。さぞや名のある演出家の仕事だろう。

しかし,以前の「ニュースステーション」はオフィス・トゥー・ワンというプロダクションが番組制作していたが,「報ステ」はテレビ朝日報道局が中心となって作っているらしい。この偽装の演出は下請け会社が暴走したのではなく,テレビ朝日の報道局がやらかした。

このテレ朝報道局の連中は,おそらく自分たちのことをジャーナリストだと(今も)信じているはずだ。


さて,この証言偽装という“大事件”に関して他の系列はどう報道しているかというと。

まずは毎日

魚拓

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テレビ朝日:マクドナルド報道で謝罪

 テレビ朝日は7日の「報道ステーション」の中で、11月27日の日本マクドナルドをめぐる報道に一部不適切な部分があったとして、キャスターの古舘伊知郎氏が「視聴者に混乱と誤解を与えるものだった」と謝罪した。

 同局広報部によると、放送ではマクドナルドの直営店で店長代理として働いていた女性の「調理日時の改ざんをしていた」とする証言を取り上げた。その際、女性が当時の制服と店長代理バッジを持っていると聞いたスタッフが「着用した方が信ぴょう性が増す」と判断して着用してもらった。視聴者から、「辞めた人が制服を着ているのはおかしい」と指摘が10件程度あったという。

毎日新聞 2007年12月8日 東京朝刊
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次は産経

魚拓
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マック改竄 テレ朝が証言者偽装
2007.12.8 00:10
このニュースのトピックス:メディア倫理

 テレビ朝日は7日、日本マクドナルドの調理日改竄(かいざん)問題について、11月27日放送のニュース番組「報道ステーション」に証言者として登場した女性が、番組の関係者で、当時すでに店をやめていたにもかかわらず、制服と店長代理のバッジを着けて出演していたことを明らかにした。同夜放送の番組内で古舘伊知郎キャスターは「視聴者に混乱と誤解を与えるもの。間違ったやり方だった。申し訳ない」と謝罪した。

 この女性は、顔を隠したうえで赤白ストライプの制服姿で元店長代理として登場し、サラダの調理日に改竄があったという内容の証言をしていた。しかし、放送直後から、インターネットなどで「元店長代理がバイトの制服を着ているのはおかしい」「モデルチェンジ前のユニホームでは」などと疑問視する声が出ていた。同社にも視聴者から、おかしいと指摘があったという。

 女性は番組の関係者で、収録を担当したスタッフは社内調査に対し「無理強いしたわけではない。相談してそういう形がいいでしょうと提案した。制服のほうが証言者としての真実味が増すという狙いだった」などと説明したという。

 同社広報部は「視聴者に誤解を与えたが、証言そのものは改竄を裏付ける真実だととらえている」としている。

 マクドナルドの改竄問題は、都内の4店舗で売れ残ったサラダの調理日時のシールを翌日のものに貼り替えていたことなどが判明。同社の原田泳幸会長兼CEOが記者会見して謝罪した。その後材料に賞味期限切れのものが使われていたことなどもわかった。
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NHKオンラインとYOMIURI ONLINEでは,いろいろなキーワードでサイト内検索したが見つからなかった。Googleニュースでも他はイザと徳島新聞ぐらいしか引っかかってこない。

今やテレビ局がやらせ番組を垂れ流していることは周知の事実だが,特に有名な日本テレビ系列が報ステの偽装をスルーしているところが香ばしい。「いつかまたウチのやらせが発覚したときのために,アサヒ系列に恩を売っておこう」ならまだかわいい。「何でそれくらいのことで目くじらたてるの? ウチなんか,証言者にそれっぽい制服着させるのは当たり前の演出だよ」なら,病根は深い。

我々医師は,こんな卑劣なマスコミに日々叩かれていると思うと情けない。

レベルの低いマスコミらにとっては,「受け入れ不能」を「たらい回し」や「受け入れ拒否」などと表記するのは何のためらいもないことだろう。

えっ? 「医者だってかばい合いするだろう」って? とんでもない。訴訟などのトラブルが生じた際,肩書きは立派だが専門がちと違う同業者にダメだしされたり,自分が勤める病院の院長に後ろから撃たれたりするような話は珍しくない。

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December 08, 2007

よく似た医院名はあるけど

魚拓

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急患受け入れ拒否 病院側「当直が専門外」「処置中」


 「もう少し早かったら助かっていたかもしれない。悔しい…」。六日未明、十六カ所の病院に治療を断られ、やっと搬送された病院で間もなく死亡した姫路市の男性(66)。駆けつけた救急車は自宅前で一時間十分、立ち往生を余儀なくされた。播磨の中心都市で浮き彫りになった医師不足。遺族はまさかの悲劇に無念さをあらわにした。

 受け入れを断った病院は、神戸新聞社の取材に「当直が脳外科医だったので、内科の輪番病院を紹介した」(姫路赤十字病院)▽「輪番日以外は救急に対応できない」(国立病院機構姫路医療センター)などと説明。

 外科と内科の輪番日だった姫路聖マリア病院(姫路市)は、六日午前零時に別の救急患者の手術を開始。さらに十分後、入院患者が心肺停止になり、七人いた医師は全員、手が離せない状態だったという。

 姫路市消防局は「症状が重篤なら、神戸市内の三次救急病院に運ぶこともある。今回の男性は当初、会話もでき、意識レベルも低くなかった。二次救急病院で対応できると考え、姫路市内から順に探し始めた」と説明する。

 同局によると昨年、患者の受け入れ先が決まり、救急車が現場から出発するのにかかった時間は平均十一分四十三秒、病院までの搬送時間は八分二十五秒という。

 担当者は「医師不足で専門の当直医が減り、搬送を断られるケースが増えている。異例の事態が起きてしまったのは残念。今後は病院との連携を密にして、受け入れてもらえるようにしたい」と話している。

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姫路市消防局は「俺たちは悪くない。搬送依頼を断ったこれらの医療機関が悪い。どうぞ皆さんで叩いてやってください」と言いたいようだ。

消防局は12日に姫路市医師会と連絡会議を開くそうだが,この脅しで話を有利に進められると思っているのだろうか。「これからも受け入れを断ったら,病院名晒してやるからな」といったところか。まるでヤクザだ。福島市のような「満床だろうが手術中だろうが,救急患者の受け入れは断らない」という言質が欲しいのだろうが,(姫路市医師会のお偉いさん方の頭が正常に機能していれば)逆効果だ。医師会の誰かが「心配ありません。姫路でのたらい回しはもう無くなると思いますよ。どこも救急指定の看板を降ろすでしょうから」ぐらいの皮肉は言って欲しい。

さて,リストにある医療機関の所在地を検証してみる。

姫路赤十字病院…姫路市
姫路聖マリア病院…姫路市
姫路中央病院…姫路市
城南多胡病院…姫路市
石川病院…姫路市
姫路愛和病院…姫路市
姫路医療センター…姫路市
酒井病院 …姫路市
城陽江尻病院…姫路市
八家病院…姫路市
綱島会厚生病院…姫路市
新日鐵広畑病院…姫路市
高砂西部病院…高砂市
太子病院…太子町
国富胃腸病院…姫路市
山田病院…姫路市
アキタケ外科…神崎郡福崎町
横山外科医院…高砂市(?)

いろいろな施設に電話をかけてご苦労さんと言いたいところだが,リストにある横山外科医院をネット検索してみると,兵庫県では神戸市兵庫区にある。地図を見ると姫路市から東へ行くと高砂市,加古川市,播磨町(または稲美町),明石市,神戸市となっている。しかも兵庫区は神戸市の真ん中に近い。リストには高砂西部病院が載っているが,加古川や明石の病院はない。加古川・明石を飛び越して1件だけ神戸の個人医院(しかもビルの5階らしい)に電話をするのはおかしいと思っていたら,高砂市に横山外科胃腸科というクリニックがあった。肝硬変による食道静脈瘤破裂であろう患者を個人医院に送ろうとするもの論外なら,医院名を間違って発表するとはどうしようもない連中だ。地元の姫路市では「横山外科医院」=「横山外科胃腸科」で通用するかもしれないが,神戸新聞がもっとも読まれているのはおそらく神戸市だろうし,ウェブ版に至っては日本全国に「電話応答なし」と公表してしまった。神戸の横山外科医院さんは風評でとんだ迷惑を被るだろう。


ところで姫路市の隣の隣に位置する加古川市と言えば,有名な心筋梗塞賠償訴訟の地。この件に関してはYosyan先生のこのエントリーが詳しい。


とにかく,このあたりはトンデモ判決もあればヤクザ消防局もあるし,医師の士気が落ちるのも無理はない。

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December 07, 2007

聖地となるか


魚拓

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3次救急施設に要請せず 姫路の急患拒否で消防

写真の説明
播磨地域で唯一の3次救急医療施設、兵庫県立姫路循環器病センター=姫路市西庄

 姫路市内の男性が六日未明、救急搬送される際に十六病院から受け入れを断られ、約二時間後に搬送先の病院で死亡した問題で、同市消防局が、播磨地域の救命救急センター(三次救急)を担う兵庫県立姫路循環器病センターを、受け入れの要請先から除外していたことが七日、分かった。

 男性が消化器系疾患で、脳や、心臓など循環器系疾患に特化した同センターでの対応が難しいと判断したため。同センターは麻酔科医不足で緊急手術への対応が難しいという現状も背景にあり、地域の救急患者を最終的に受け入れる「最後のとりで」の救命救急センターとしての役割が揺らいでいる。

 同市消防局によると、一一九番通報を受けて駆けつけた救急隊員は、男性が吐血し、当初意識があったことなどから、消化器系疾患に対応できる二次救急医療機関を中心に受け入れを要請。しかし、手術中やベッドが空いていないことなどを理由に相次いで拒否され、受け入れ先となった赤穂市民病院への搬送途中に容体が急変、その後死亡した。

 同市消防局は、姫路循環器病センターに受け入れを要請しなかった理由について、「循環器系以外の疾患はたいてい要請をしても断られる」と説明。実際、二〇〇六年度に同センターで受け入れた救急患者数四千九十四人のうち、脳や、循環器系が三千九百三十二人と96%を占めた。

 県医務課によると、同センターは当初、消化器系疾患にも対応していたが、その後、循環器系疾患に特化する中で、ほかの疾患については市内を中心とする医療機関が補完する体制を取っている。

 病院関係者によると、同センターでは近年、麻酔科医が激減。予定されている手術への対応に追われ、開頭など高度な緊急手術への対応も難しい状況という。

 同市は、市の休日・夜間急病センター(一次救急)で対応できない救急患者を搬送するため、輪番制で「二次後送病院」を指定。そのうち外科、内科に参加している病院は現在、総合病院が六、外科七、内科六の計十九カ所で、十年前の三十八カ所から半減している。

 これらの状況に救急搬送数の増加や専門医の不足といった要素が重なり、救急患者を受け入れる医療機関にしわ寄せが来ている。

 今回の問題を受けて、県医務課は「現状の救急体制でよいのかどうか、改善が必要なのかを含め、検討しなければならない」と話している。

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その地域で唯一の3次救急医療施設が,「循環器系以外の疾患はたいてい要請をしても断られる」「予定されている手術への対応に追われ、開頭など高度な緊急手術への対応も難しい状況」

今まで持ちこたえていたのが不思議なくらい。と思っていたら,以下の記事。


魚拓

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19病院が救急受け入れ拒否、過去1年間で2度 姫路

2007年12月07日

 兵庫県姫路市で救急搬送中の男性(66)が計16病院から受け入れを断られて死亡した問題で、同市消防局がこのケース以外に過去1年間で2度、19病院に搬送を拒否されていたことがわかった。いずれも20回目の照会で市外の病院に受け入れ先が見つかり、2~3時間後に搬送された。

 同市消防局によると、昨年12月15日夜、作業中に指を骨折した50代の男性が市内の消防署を訪れ、搬送を依頼。救急隊員は整形外科を探したが、「専門医がいない」「処置中」などと断られ続けた。今年8月7日には、市内の30代男性の家族から「興奮状態で倒れた」と119番通報があり、救急隊員が内科医がいる病院に受け入れを打診したが、「精神科にも関係する」などとして相次いで断られたという。

 同消防局のまとめでは、救急車に患者を乗せてから病院に到着するまでの平均所要時間は、03年に18分10秒だったのが、06年には20分8秒に延びた。同消防局は、医師不足などを背景に、病院への照会や遠方の病院への搬送が増えたことなどが理由と分析。幹部の一人は「受け入れ先を探すことに救急隊員も精神的にまいってきている」と漏らす。

 今回の問題を受けて市は12日、同市医師会と定例の連絡会議を開き、病院側の受け入れ態勢の整備について協力を求める方針。

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搬送先が見つかるのに時間がかかることは珍しくないが,今まではたまたま軽症(指の骨折だけの患者を救急搬送するか?)で問題にならなかったようだ。

今回の吐血症例が,素早く搬送されていれば救命できたかどうかわからない。確実に言えることは,今後も同じような“救急患者の受け入れ不可”が増えるということ。

兵庫県が医療崩壊先進県とは聞いていたが,ここまでとは。

奈良や福島と並び,目が離せない。

>同市医師会と定例の連絡会議を開き、病院側の受け入れ態勢の整備について協力を求める方針

早くも「福島市に倣え!」の予感

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次はどこ?


魚拓

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未明の兵庫、18病院たらい回され 66歳死亡 
2007.12.6 13:39
このニュースのトピックス:事件・トラブル

 兵庫県姫路市の男性(66)が6日未明、吐血するなどして救急搬送された際、近隣の18病院が「医師の不在」などを理由に受け入れを拒んでいたことが分かった。男性は最終的に、約30キロ離れた市外の病院に2時間近くかけて搬送されたが、途中で病状が悪化。搬送先の病院で死亡が確認された。

 市消防局は「最善を尽くしたが、いろいろな条件が重なり、受け入れ先を見つけるのに時間がかかってしまった」としている。

 市消防局などによると、6日午前0時7分、男性の家族から「(男性の)意識がぼんやりしている。目がうつろで吐血した」と119番通報があり、救急隊が出動。受け入れ先の病院を探したが、姫路赤十字病院や国立病院機構姫路医療センターなど18の病院に「専門の医師がいない」「ベッドがない」などの理由で断られたという。

 男性は当初意識があったが、受け入れ先の赤穂市民病院に搬送される途中で心肺が停止。午前1時56分に同病院へ到着したが、同2時17分、死亡が確認された。

 救急搬送をめぐっては、昨年8月、奈良県大淀町の町立大淀病院で高崎実香さん=当時(32)=が分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院に受け入れを断られた末、大阪府吹田市の搬送先の病院で後日、死亡。今年8月にも、同県橿原市内で体調不良となった妊婦(38)が11病院から受け入れを断られ、大阪府高槻市内の病院で死産が確認された。

 高崎さんの義父、憲治さん(53)は「救急医療をめぐる問題があると(関係者は)『二度とこういうことが繰り返されないように』と謝るが、何度も繰り返し起こってしまうことが残念でならない」と話している。

産経
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産経はあいも変わらず“たらい回され” 
患者を乗せた救急車がそこら中を走り回ったかのような表現。やっぱりその日本語,おかしいぞ。承知の上で誤用を続けて市民権を得るつもりか。医師を悪者にしたいという悪意満載。

さらにご丁寧に奈良妊婦脳出血の義父のコメントまでもらっている。

>「救急医療をめぐる問題があると(関係者は)『二度とこういうことが繰り返されないように』と謝るが、何度も繰り返し起こってしまうことが残念でならない」と話している

括弧内の“関係者”は医者であって,「厚労省や政府ではない」と信じているかぎり,これからも同じ事象はますます起こるだろう。いまさら気づいてももう遅いが。

医療崩壊は日本全国で発生している。搬送先が3時間ほど決まらないとか,20カ所以上に受け入れを断られるとかが日常茶飯事になるだろう。そのときでも,産経や毎日は“たらい回し”を使い続けるつもりか。あっ,そうか。その頃には高齢者の交通事故並の発生頻度で,インパクトが薄過ぎて記事自体にならないか。


魚拓

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18病院が受け入れ拒否 66歳男性死亡 兵庫・姫路

2007年12月06日20時53分

 兵庫県姫路市で6日未明、肝臓に持病がある男性(66)が吐血し、受け入れ先の病院を探したが、近隣の18病院に「専門の当直医がいない」などと拒否されていたことがわかった。男性は約2時間後、約30キロ離れた同県赤穂市の病院に搬送されたが、死亡が確認された。

 市消防局などによると、6日午前0時7分、姫路市の男性の家族から「意識がぼんやりしていて、吐血もした」と119番通報があった。救急車は3分後に男性宅に到着し、救急隊員が車内から姫路市、兵庫県高砂市、同県太子町の計18病院に受け入れを要請した。だが、拒否が続き、午前1時20分、19病院目の赤穂市民病院が応じた。男性は搬送中の同40分、容体が急変。心肺停止状態に陥り、午前2時17分に同市民病院で死亡が確認された。

 同市民病院は死因を明らかにしていないが、男性は肝臓が悪く、3年前まで通院していたという。

 病院側が断った理由は、「専門の当直医がいない」が11カ所、「ベッドが満床」が4カ所、「処置中」が3カ所だった。国立病院機構姫路医療センターは「症状が重篤と判断したため、内科の救急対応ができる病院へ搬送してほしい、と要請した」としている。

姫路赤十字病院は脳外科医が当直で、「内科の先生がいる病院を」と回答。姫路聖マリア病院は夜間救急搬送先の輪番制で「内科・外科」の当番に当たっていたが、午前0時ごろから相次いで別の救急患者が搬送されるなど、医師7人全員が手術や救命措置にかかりきりになり、受け入れを断ったという。

 市消防局の浅見正・消防課長補佐は「救急隊員はみんな助けたいと思っていたので悔しい。全国的に医師不足が問題となる中、専門の当直医が減って受け入れを断られるケースが増えている。今回の事案を精査し、新たな犠牲者を出さないよう病院と協力する態勢を作りたい」と話した。

朝日
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朝日の記者は学習したのか,“たらい回し”を枕詞にしていない。

>新たな犠牲者を出さないよう病院と協力する態勢を作りたい

消防課長補佐はこう言うしかなかったのだろうが,医師がいなくなった病院とどうやって協力するのだろう。

姫路市の救急輪番に関しては今年の9月30日に以下のような記事があったらしい。

http://blogs.yahoo.co.jp/flog261012/37378630.html

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医師不足:姫路も医療危機 輪番参加病院が激減、救急搬送にも影響 /兵庫
 ◇増える夜間・休日外来休止

 全国で医師不足が深刻化するなか、姫路市内の医療機関でも高度医療にひずみが生じている。診療科の休止が増え、急患の受け入れ先として市医師会がまとめている救急後送輪番への参加病院数も診療科によっては最多時の3分の1以下に激減、消防の救急搬送にも影響が出ている。「このままでは、姫路の医療も2、3年で崩壊してしまう」と警鐘を鳴らす医療関係者もいる。【馬渕晶子、久野洋】

 姫路市内の基幹病院の一つ、国立病院機構姫路医療センターは今年2月、医師不足から内科で約40床を減らし、入院と救急の受け入れを制限する「非常事態宣言」をした。さらに4月には産科の出産受付もやめた。他にも市内の総合病院などでは、診療科や夜間・休日外来受付が休止に追い込まれている。

 また輪番への参加病院の減少で、1~3次と3段階を備える救急医療体制は、2次以降の参加病院数が今年4月現在、内科7▽外科7▽小児科2--とそれぞれ最多時の半分以下になった。整形外科は3分の1以下の7病院にまで激減し、今年4月からは365日組んでいた輪番を毎週末に限定した。3次救急を担う県立姫路循環器病センターでは、手術に必要な麻酔科医の減少で昨年12月から脳神経外科の救急受け入れが困難な状況が続き、10月には輪番からも外れる。

 医療現場の疲弊について、姫路医療センター診療部長の望月吉郎医師は「医療訴訟の多発や過酷な労働環境で産科、小児科、内科の勤務医が特に減っている」と指摘。また「初診患者の5割以上が医院・診療所で解決する症状。しかし『大病院志向』の影響で総合病院は外来患者で混雑し、救急に取り組むのが困難になっている」と明かす。

 この影響で、救急車が搬送先探しに手間取るケースも増えている。市消防局によると、現場到着から病院搬送までの平均時間は、04年の18分45秒から昨年は20分08秒に増加。電話で3カ所以上に受け入れ要請する割合も増え、夜間や休日などに搬送先が見つからず、近隣市の病院や神戸市の高度医療病院に要請するケースもある。

 ◇厳しさ理解し「適正利用を」

 市医師会副会長の空地顕一医師は「市民に医療現場の厳しい状況を理解してもらい、適正な利用を心掛けてもらうことが市民の医療を守ることにつながる」と訴える。

〔播磨・姫路版〕

毎日新聞 2007年9月30日
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>このままでは、姫路の医療も2、3年で崩壊してしまう

2、3年ではなく2、3か月だった。


ところで,Yahooニュースの「この話題に関するブログ」を見ると,まだ面白いものが見られる。

そろそろ行政やシステムに問題があることに気づいてきた人も散見されるが,相変わらず

「医龍のような医者はいないのか」
「深夜のために、お医者さんがいなかった、って言い訳にもなりませんよ」
「ベッドなんて、即席でもいいからつくれば良いじゃないか?」
「医者不足って言いますが都心部に集中してるんですよね?
何故にDrコトーの様なお医者さんは居ないのでしょうか????」
「夜間ということで専門の医師の不在が理由ということですが、
緊急対応できる医師との契約はどの病院もおこなっていないのでしょうか?」
「病院が人を殺すことなど、絶対にあってはならないのですから…」

などなど,香ばしいことをお書きになっている人が多い。

私だって周回遅れのエントリーは多いし,専門分野以外では誤解や思いこみもあるだろう。それに,普段医療に縁のないブロガーが「救急医療の崩壊は医師のせい」と思いこむことにいちいち目くじら立てていてはキリがない。前にも書いたが,彼らは身近に医療崩壊を実感せずにいられる,幸運な方たち。知らない方が幸せなこともある。彼らに向かって「お前ら,周回遅れなんてもんじゃない。そろそろスタートして現実を見たら」などとは決して口にしてはいけない。

それに彼らのはただのブログ。井○真氏の「恥を知れ」に比べたら,どれだけbenignか。

あ,そうそう,先月聖地福島で救急搬送に約1時間かかったというニュースのとき,私は「そのうち,2時間3時間は当たり前に」というエントリーを書いていた。別に自慢するわけではない。「今後,PCの処理速度はもっと上がるでしょう」を予言とは言わない。ここに初めて来た人には大阪高裁の有名な判例を見てもらいたい。

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December 02, 2007

土日って,深夜も含めてだよね


魚拓

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「病院探し、意外と大変」

 奈良県橿原市の妊婦搬送問題を受け、県は救急妊婦の受け入れ先病院を探す「コーディネーター」を12月1日から県立医大病院(橿原市)に導入する。当初は10人前後を平日夜間と休日に配置する予定も、4人しか集まらなかった。当面は土日のみの対応になるが、スタートを前にした26日、県内の病院や消防など関係機関を含め、妊婦の救急対応訓練を行い、電話による応対方法などを確認した。

<写真の解説>
病院や消防と電話で連絡をとりながら、妊婦の搬送先病院を探す訓練をするコーディネーター(橿原市の県立医大病院で)

 コーディネーターは、手術が必要な妊婦の搬送先を確保し、手術の必要がない場合でも、1次救急輪番で受け入れ先が見つからない場合があれば対応する。

 訓練は県立奈良病院(奈良市)など5病院と奈良市消防局、中和広域消防組合(橿原市)で実施。「かかりつけ医がなく妊娠の可能性あり」「切迫早産で出産の可能性あり」など容体や状況が異なる妊婦7人を想定し、患者や診療所の医師役の県職員が、消防などへ電話することから始めた。

 コーディネーターは2人の助産師が参加し、医大病院内で診療所や消防からの電話に対応。今回の搬送問題を教訓にして作成された「チェックリスト」に従って患者の身元や妊娠週数などを書き取り、病院の空きベッド数などを知らせる「県周産期医療情報ネットワーク」のパソコン画面を確認。病院の医師に受け入れの可否などを問い合わせるなど、手順を確かめていた。

 コーディネーターで助産師の港萬里子さん(61)(葛城市)は「病院探しは思ったより大変。本番でうまく受け入れ先を見つけて、役に立てれば」と話した。

 県はコーディネーターを10月から募集しているが、応募が少なく、引き続き募集を続けるという。
(2007年11月27日 読売新聞)
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「病院探し、意外と大変」というタイトルを見て憤慨しなかった医師はほぼ皆無だろう。
医師の神経を逆なでするためにつけたタイトルとも言える。

しかし,ここはぐっとこらえよう。一般人の認識とはこんなもの。経験していない事柄の苦労を想像するのは簡単ではない。

おそらくマスコミも一般人も,電話で妊婦の搬送先を探すのはホテルの空き部屋を探すのと同程度と思っているはずだ。

福島市では「空きベッドがなくても救急患者を断るな」
大阪府では,産科医に徹夜の電話番

福島市や大阪府に比べたら,聖地奈良の試みはまだマシかもしれない。

下世話だが,気になるのはコーディネーターの報酬。医師の当直料と比べてどうか。コンビニの夜のバイト料より多いか少ないか。

それともう一つ興味を引いたのは,あの聖地に,妊婦受け入れの問い合わせ先がまだ5カ所もあるということ。

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