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November 24, 2007

安価な人件費で維持できる夜間コールセンター


魚拓

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重症妊婦の搬送、専任医師が受け入れ病院手配 大阪府

2007年11月23日

 奈良県橿原市の妊婦が救急搬送中に医療機関から相次いで受け入れを断られて死産した問題などを受け、大阪府は26日から、府立母子保健総合医療センター(和泉市)に夜間の妊婦の二次救急受け入れ病院を探す専任医師を配置する。搬送先のコーディネートの専任医師を配置するのは「全国でも初めて」(府精神保健疾病対策課)という。

 同センターは、府内の産婦人科病院などから電話で救急搬送依頼を受けると、事前に登録された二次救急病院の空きベッド情報などをもとに受け入れ先を探している。これまでは2人の当直医が業務の合間を縫って担当していたが、2人とも緊急手術中だった場合などは、すばやい対応が難しかった。

 新しい制度では、府内の産婦人科医ら9人が午後8時から翌日午前8時まで輪番制で1人ずつ待機。電話で聞き取った妊婦の症状などをもとに受け入れ先を探す。

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揶揄するつもりは毛頭ない。

専門家が,しかも院内業務に追われながらではなく,搬送先探しに専念してくれるならこんなに心強いことはない。

しかし,気になるのは電話番明けの翌日午前8時以降。

夜勤明けとして家に帰って休めるのか。
それとも,“電話番程度”の宿直と見なされ,通常勤務に入れられるのか。

まちがいなく後者だと思う。

それでも従来の当直よりはましか?  
いや,違う。従来の当直に“徹夜の電話番”がプラスされるだけだ。
自宅の布団で寝られる日はさらに減るだろう。お気の毒です。

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November 21, 2007

活断層の真上に住んでいる人もいる


魚拓

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「病院は原則受け入れ」福島、搬送遅れ受け決定
2007.11.19 23:40
このニュースのトピックス:病気・医療

 福島市で乗用車にはねられた女性の搬送先の病院が約1時間決まらず、約6時間後に死亡したことを受けて、福島市や消防、市内の病院などでつくる「福島市救急医療病院群輪番制運営協議会」は19日、臨時の総会を開き、消防から救急患者の受け入れを打診された病院は、原則として拒否しないことを決めた。

 会見した同協議会の有我由紀夫会長は「患者さんや市民に多大な不安を与え、遺憾に思う。医師による診断が約1時間も遅れたのは大きな問題だ」と強調。「各病院の医師は、満床だからと受け入れを断ることなく、まず患者を診るべきだ」と述べた。

 受け入れた後の対応については、満床などのためそのまま治療することが困難な場合、病院間で調整し、より高度な医療ができる病院に移送することとした。

 事故は今月11日夜発生。福島市で道路を横断しようとした市内の無職女性(79)が乗用車にはねられた。救急搬送される際、4つの病院に計8回受け入れを断られ、約1時間後に別の病院に搬送されたが、事故から約6時間後に脳挫傷で死亡した。

* 産経新聞社

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あいた口が塞がらない。もうどうしようもない。

救急隊は楽になるだろう。搬送先探しをしなくて済む。そのかわり,奈良の大淀病院のように,医師が搬送先探しをすることになる。院内の急変患者の搬送先だけでなく,救急車で運び込まれた患者の搬送先探しも当直医(夜勤ではない)の仕事になる。

今後予想されることは

1 福島市の救急輪番からはずれようとする病院が増える。
そうなると,輪番への加入も強制になるか。

2 福島市の救急輪番病院を辞めたがる医師が増える。
辞める医師にペナルティを課すのは市レベルでは無理だろう。

3 福島市の病院に研修医が来なくなる。
もともと少ないだろう(?)から変わらないか。

4 福島市以外からも救急車がやって来る。
救急隊の縄張り意識がどう影響するか。

5 福島市の近隣に在住の野良妊婦が福島市内までやって来て救急車を呼ぶ。
DQNどもは新聞読んでないくせにこういう情報はしっかりつかんでいる。

6 日本全国の病院に「福島市を見習え」と,市議会や県議会から圧力がかかる。
これはまず間違いない。

7 福島市の輪番病院に勤務する医師の多くが訴訟に巻き込まれる。
これも避けられないだろう。救急では充分なムンテラする時間がないので,患者との信頼関係を築きにくい。どうせ司法も「病棟業務のせいで他院への搬送が遅れたため死亡した」「オペ中とはいえ,オペを中断してでも救急患者を診るべきであった」「救急搬送を受け入れた以上,その患者を救う義務があった」,「患者が死亡したのは廊下で治療したために感染症を併発したから」あるいは大阪高裁のように「救急輪番に加わっている以上,医師は完璧な救急医療を提供する義務があった」で断罪してくれる。それに福島県はあの事件の聖地-触れたくないが逮捕もあり得る。


「福島市内の病院で働いている先生方は早く逃散しなさい」などとは言うまい。今回の協議会の決定で目が覚め,洗脳が解けるような医師ならとっくの昔に逃げている。「自分は福島で生まれ育ち医局も福島県立医大だから,ここを離れられない」「自分がいなくなると地元の患者さんが困る」などと真顔で語る人には何を言っても無駄だろう。“多少の地域性があるものの,言葉も文化も通貨も度量衡も自分の医療技術も日本全国で通用する”とは承知していても,農耕民族の土着精神はそう簡単に揺らがない。例えば,台風のたびに浸水するような地域,あるいは活断層の真上に住んでいる人も少なくない。私だって偉そうなことは言えない。遠く離れた土地に移住するのはたやすいことではない。

しかし,私なら引っ越しできなくとも隣の県で勤務先を探すだろう。

あっ,脱局が先か。

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November 16, 2007

そのうち,2時間3時間は当たり前に


魚拓

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救急搬送拒否:交通事故の79歳女性死亡 福島

 福島市内の県道で11日夜に起きた交通事故で負傷した79歳の女性が、救急搬送の際に市内4病院から受け入れを断られ、病院搬送に約1時間かかっていたことが分かった。女性は事故の約6時間後、外傷性脳挫傷で死亡した。福島消防本部は「すぐに病院で治療を受ければ助かったかもしれない」としている。

 同消防本部や県警福島署によると、現場近くの無職、菊田ミツ子さんが11日午後8時過ぎ、ゴミ捨てのため道路を横断中、乗用車にはねられ救急車が出動した。搬送の際、県立医大付属病院など市内4病院に延べ8回受け入れ要請をしたが断られた。事故の約1時間後に市内の民間病院が受け入れたが、菊田さんは12日午前2時過ぎに死亡した。菊田さんは搬送中意識があり、呼びかけに反応していたという。

 福島県保健福祉部は同付属病院が受け入れを断った経緯を調べている。別のある病院は「たまたま他の急病患者がおりICU(集中治療室)が満床だった」と説明した。【今井美津子】

毎日新聞 2007年11月14日 20時34分
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まずは亡くなられた女性の冥福をお祈りする。


「大野病院の件で地検次席検事が『いちかばちかでやってもらっては困る』と公言した,あの悪名高い福島県だからこのようなことが起こった」とか,「文句はK医師を逮捕した福島県警に言え」などとは言うまい。

福島県に限らず,もはや日本全国で救急医療(というより医療全体)が崩壊しつつある。同じような搬送遅延は間違いなく全国で起きる。報道されていないだけで,すでにあちこちで起こっているに違いない。

そろそろ医療崩壊は一般国民にも見えてきているはずだが,このような搬送遅れのニュースを見て,いまだに「病院・医者はけしからん」などとブログに書いているような人は幸せである。その人は自分や家族が医療とまったく縁がないほど健康か,近年まれな医療環境優良地域に在住しているはずだ。


本来,医師は(体力と時間に余裕があればという条件がつくだろうが)難しい症例に挑戦したがる習性がある。困難な症例を治せる医師は同業者から尊敬のまなざしを受け,目標にされる。手技のうまさより論文の数が重視された頃とは異なり,現在は医師の評価において臨床能力が大きなウェイトを占めるようになってきた。高い評価を得たい医師は困難な症例にチャレンジしたがる。そして,総じて医師は仕事が好きである。

つまり,救急患者の受け入れを断るのは医師が「さぼりたい」「仕事したくない」からではない。ほんの数年前まで,救命が難しい患者を喜んで受け入れる医師も少なくなかった。不謹慎だが,彼らの本音は「ダメでもともとだから,気が楽だ」「いい経験になる」だった。この不謹慎な動機のおかげで,なかには本当に九死に一生を得た患者も確かにいた。

だが,今は違う。大野病院癒着胎盤,杏林大学割箸,大淀病院妊婦脳出血,新宮心筋炎…。医師は救命困難な症例に遭遇し救命に失敗すると,社会的に葬られる。

日本の医師たちは司法・マスコミ・警察・DQNによって去勢された。困難な症例に挑戦して結果が悪ければ逮捕や高額賠償が待っているのでは,習性を封印するしかない。ただでさえ過酷な勤務が続く勤務医には体力と時間の余裕もない。その上で自分の医師生命を吹っ飛ばしかねない症例に挑むのは正気の沙汰ではない。


かつて大阪高裁は「救急医療に従事する医師はすべて完璧に診断・治療できねばならない」と解釈せざるを得ない,有名な判例を出している。
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/info/mag/nm/index_bn0710.html
http://plaza.rakuten.co.jp/tinyant/diary/200703230000/
http://power123.blog95.fc2.com/

判決の主文がここにある
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/5DC0E6DAEC784F5649256DD70029B153.pdf

大事な箇所を抜粋する

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 そうだとすると,被控訴人Eとしては,自らの知識と経験に基づき,Eにつき最善の措置を講じたということができるのであって,注意義務を脳神経外科医に一般に求められる医療水準であると考えると,被控訴人Eに過失や注意義務違反を認めることはできないことになる。G鑑定やH鑑定も,被控訴人Eの医療内容につき,2次救急医療機関として期待される当時の医療水準を満たしていた,あるいは脳神経外科の専門医にこれ以上望んでも無理であったとする。
 しかしながら,救急医療機関は,「救急医療について相当の知識及び経験を有する医師が常時診療に従事していること」などが要件とされ,その要件を満たす医療機関を救急病院等として,都道府県知事が認定することになっており(救急病院等を定める省令1条1項),また,その医師は,「救急蘇生法,呼吸循環管理,意識障害の鑑別,救急手術要否の判断,緊急検査データの評価,救急医療品の使用等についての相当の知識及び経験を有すること」が求められている(昭和62年1月14日厚生省通知)のであるから,担当医の具体的な専門科目によって注意義務の内容,程度が異なると解するのは相当ではなく,本件においては2次救急医療機関の医師として,救急医療に求められる医療水準の注意義務を負うと解すべきである。
 そうすると,2次救急医療機関における医師としては,本件においては,上記のとおり,Fに対し胸部超音波検査を実施し,心嚢内出血との診断をした上で,必要な措置を講じるべきであったということができ(自ら必要な検査や措置を講じることができない場合には,直ちにそれが可能な医師に連絡を取って援助を求める,あるいは3次救急病院に転送することが必要であった。),被控訴人Eの過失や注意義務違反を認めることができる。
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要約すると,「交通事故の患者に対し,ただの脳外科医として診察・治療を行ったのなら心タンポナーデの患者を救えなかったとしても無理はないが,救急医療機関の看板を掲げる病院で働いている以上は救急医であり,救急医療のすべての手技を完璧にできなければならない。だから,患者を救えなかった被控訴人E(脳外科のベテラン先生)には過失がある」

そう,「救急医は隠れた異常を見逃さず,どんな手技も100%完璧にこなさなければならない。それができないなら救急はするな」ということだ。

現在も救急医療に従事されている先生方には頭の下がる思いだ。1分1秒を争う現場では充分なムンテラも難しいだろうに。

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November 09, 2007

警察病院でも防げない

魚拓

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人違い? 入院男性射殺される
2007.11.8 12:06
このニュースのトピックス:殺人・強盗・誘拐
男性患者が拳銃で撃たれ死亡した病院を調べる捜査員ら=8日午前9時20分ごろ、佐賀県武雄市朝日町男性患者が拳銃で撃たれ死亡した病院を調べる捜査員ら=8日午前9時20分ごろ、佐賀県武雄市朝日町

 8日午前7時40分ごろ、佐賀県武雄市朝日町甘久、篠田整形外科の2階病室で、入院患者の武雄市山内町三間坂、板金工場経営、宮元洋さん(34)が男に拳銃で撃たれ、間もなく死亡した。撃った男は車で逃走。県警は武雄署に捜査本部を設置し、殺人容疑で男の行方を追っている。

 県警によると、宮元さんに暴力団絡みのトラブルはなく、県警は人違いで撃たれた可能性もあるとみて調べている。

 医師や看護師、ほかの入院患者らにけがはなかった。

 調べでは、ナースセンターにいた看護師が発砲音を聞き、2階の個室に駆け付けると、宮元さんが床の上に倒れていた。背後から数発撃たれていたという。同じころ、院内の階段を下りていく男を看護師が目撃。男は病院の駐車場から白いトヨタクラウンとみられる乗用車で走り去った。

 男は身長160~170センチ。茶色のジャンパーを着て、サングラスをかけ、黒いニット帽をかぶっていた。

 宮元さんは、約3週間前にラグビーをしていてアキレスけんを切り、手術を受けた後、リハビリのため入院していた。母と妻、小学生の息子2人の5人暮らしという。

 篠田整形外科はベッド数19。近くに小中学校があり、武雄市教育委員会は各校に児童、生徒の安全確保と警戒を呼び掛けた。

 現場はJR佐世保線武雄温泉駅から北東に約1キロの住宅地。
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魚拓

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患者に病院の説明なし 早朝開放、無防備も露呈 '07/11/9

 入院患者の男性が射殺された佐賀県武雄市の篠田整形外科が事件後、待合室で外来の診察開始を待っていた高齢者らに全く状況を説明していなかったことが九日、分かった。早朝から玄関の出入りが自由な医療機関だったが、外部からの襲撃には防御態勢がないという弱点もあらわになった。

 事件が発生した八日午前七時四十分ごろ、一階の待合室には十五人ほどがいた。そのうちの一人の女性(63)は「普段から待合室は高齢者の憩いの場所でもある。犯人と擦れ違っていたかと思うと、体の震えが止まらなかった」と話す。病院からは何の説明もないまま、女性は警察官の事情聴取を受けたという。

 病院の篠田侃しのだ・ただし理事長は、外来患者を放置したことについて「捜査への対応に追われていた。不安な思いをさせて申し訳ない」と謝罪。二階の入院患者には、看護師が個別に説明に回ったとしている。

 病院は正面の扉を毎日午前六時半にオープン。通勤前に高齢者を病院に送り届ける家族が多く、病院にとっては「患者への配慮」でもあった。

 病院には総勢約八十人の医師や看護師、理学療法士らが勤務するが、午前八時半に外来診療が始まるまでは当直の看護師二人がいるだけで、ほとんど無防備状態。今回の犯行は「一番弱い時間帯が狙われた」(篠田理事長)ことになる。

 病院は八日夜から、玄関付近に警備員を常駐させ始めた。
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まずは,亡くなられた男性のご冥福をお祈りする。誠に気の毒である。


さて,病院には「緊急呼び出し」もしくは「オンコール」と呼ばれるものがある。医療従事者が夜中や休日に,昔ならポケベル,今なら携帯で病院に呼び出される。もちろん自宅の固定電話にかかってくることもある。医師だけとは限らない。病院によってはナースや放射線技師も呼び出されることもある。夜中や休日の病院は正面玄関には錠がかけられており,夜間(救急)出入り口を通って病院に出入りすることになる。そこには守衛室が設置されている病院も多いが,いちいち来訪者のチェックなどしない。小さな病院では守衛のおじさんが医療従事者全員の顔を覚えていることもあるかもしれないが,救急を扱っているのなら搬送患者の関係者が遅れてやって来ることはよくある。救急をまったく扱わない病院でも,入院患者の急変で夜中に家族がかけつけることは日常茶飯事。それに守衛のおじさんは電話番も兼ねているため,電話中は出入りの様子を見ることもない。

何が言いたいかというと,病院は夜間・休日といえどもノーチェックで出入りできるのが普通

ましてや午前6:30に玄関が解錠され,待合室には十五人ほどがいるような時間帯ではだれも怪しまない。第一,整形外科なら屈強な兄ちゃんが入ってきても何ら不自然ではない。

結局,このような犯罪は防ぎようがない。


>病院には総勢約八十人の医師や看護師、理学療法士らが勤務するが、午前八時半に外来診療が始まるまでは当直の看護師二人がいるだけで、ほとんど無防備状態

入院患者の家族が,出勤前に物品を患者に届けに来ることがある。午前7:40頃に見知らぬ人が病棟をウロウロしていても誰何されることはまずない。それにこの時間帯は朝食の準備または下膳,採血などでナースは忙しい。そもそも,医師や看護師が全員揃っている時間帯でも“無防備”に変わりはない。時間帯によらず,無防備でない病院など日本のどこにもないだろう。


>病院は八日夜から、玄関付近に警備員を常駐させ始めた。

入院患者を安心させるための措置だと思われるが,何の意味もない。本当に人違いなら,真のターゲットは別の場所にいる。仮に人違いでないとしても目的は達成されたので,もはやその病院が再び襲われることはない。だいたい,殺す気満々で拳銃を持っている暴力団員に対し,丸腰で高齢の警備員ひとりで何ができるか。来訪者全員に金属探知機を使ったボディチェックしたとしても,拳銃を見つけた時点で殴り殺される可能性が高い。

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November 07, 2007

医師不足のはずだが


魚拓

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診療報酬下げ提言 財政審 人件費など圧縮余地

11月6日8時1分配信 産経新聞

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は5日の会合で、平成20年度予算で医療機関に支払う診療報酬の引き下げを求めることで一致した。医療費を見直すことで社会保障費の抑制につなげる。診療報酬は小泉政権時代から減額が続き、さらなる引き下げには日本医師会や与党の厚生族議員らの激しい抵抗も予想される。財政審は「下落が続く賃金や物価の水準に比べると医師の人件費などはまだ高い」と反論。月内にまとめる建議(意見書)に盛り込む考えだ。

 診療報酬はほぼ2年に1度のペースで改定され、全体の改定率は政府が予算編成の過程で決定。年末に向けて来年度改定の作業が本格化する。2年度以降、薬価や医療材料費部分は一貫して引き下げてきたが、医師の技術料などに当たる本体部分の引き下げは小泉政権下の14年度から本格的なメスが入った。前回18年度改定では、本体部分1・36%、薬価・医療材料部分1・8%の計3・16%のマイナスと過去最大の下げ幅だった。

 これまでの引き下げで現場の医師らは「医師不足や病院の倒産など“医療崩壊”が加速する」と危機感を募らせている。日本医師会は「国内総生産(GDP)比の総医療費は先進国で最低水準」として、約2兆円の国民負担増に相当する診療報酬の5・7%の引き上げを要望。さらに医師確保のための対策強化なども政府に求めている。

 これに対し、財務省は同日の会合に資料を提出し、総医療費のうち税金や保険料で賄われる公的医療費部分でみた場合、対GDP比や一般政府総支出に占める割合が主要先進国の平均より高い水準にあると反論。デフレが本格化した11年度以降の賃金や物価の動きを現在の診療報酬(本体部分)の水準に反映させると、さらに3・6%の引き下げが必要と試算した。

 委員からは「日本医師会の引き上げ要求はいかがなものか」と疑問視する意見が多く上がったほか、「民間の医療保険の活用で公的保険の負担を減らすべきだ」との指摘もあった。

 賃金が伸び悩むなかで国民医療費は毎年1兆円を超すペースで増え続けており、財務省では「診療報酬の1%引き下げで約800億円の医療費削減につながる」と試算している。

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勤務医を辞めてフリーになるとき,種々の不安材料がある一方,以下のようなメリットが頭に浮かんだ。

当直・オンコールがない。
仕事を選べる(高リスク症例などを避けられる)。
病院を選べる。
外科医を選べる(嫌なヤツのいる病院では働かない)。
研修医を教えなくていい。
救命士に挿管実習させなくていい。
会議に出なくていい。
平日に休める。
事務とかかわらなくていい(ちょっとした備品買うにも気を遣っていた)。
頭悪いクセにえらそーにするコメとかかわらなくていい。
雑用しなくていい。

そう,少々のデメリットは吹き飛ぶほどの莫大なベネフィット。ともすれば手放しで歓喜し,小躍りしたい程だった。

しかし,元来お調子者の私は過去に“手放しで歓喜”した後にひどいしっぺ返しを食らったことが何度もある。私は「そのうちフリー麻酔科医がひどい目にあう日が来るのでないか」と危惧したし,今も警戒している。

「もしかしたら,そのうち勤務医の待遇が劇的に向上して,常勤医に戻りたいと願うようになるのではないか」とも思うこともあった。


しかし,財務省は医師の人件費が高いので,これを削れば医療費を削減できると主張している。開業医の収入は“医師の人件費”とは言わない。勤務医の給料が高いと言いたいのだろう。財務省は勤務医の給料を決めることができないはずだが,病院の診療報酬が下がれば勤務医の待遇はますます悪くなる可能性がある。財務省が「医師の人件費」にだけ言及したという理由で,他の職員の給料は減らされずに医師の給料だけ削られることは充分あり得る。

診療報酬が下がると麻酔の報酬も低くなるだろうが,私が「勤務医に戻りたい」と願う日はおそらく来ないだろう。

心配なのは,麻酔科の勤務医が待遇悪化に耐えかね大量に逃散し,フリーとなって私の仕事を奪うこと。

全国の優秀な麻酔科常勤医の先生方は,少しくらい給料が下がっても辞めないでいただきたい。何しろ勤務医なら部長の肩書きに厚生年金,退職金など,特典がいっぱいなのですから。

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