妊婦でも夜中の2時や3時に買い物に行かねばならない事情もあるだろうから,その点は非難しない。しかし,過去に流産の既往のある38歳の妊婦が,妊娠7か月でもかかりつけ医がいない,つまり産科を受診していないとは感心できない。
各メディアはこのことには詳しく触れず,医師を悪者にしようと躍起だ。
毎日の連日の報道は言うまでもないが,産経の社説もひどい。
魚拓
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【主張】妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち
次々と病院から受け入れを断られ、たらい回しにされた奈良県の妊娠中の女性が、救急車の中で死産した。奈良県では昨年8月にも、分娩(ぶんべん)中に意識不明となった妊婦が、19カ所の病院に転院を断られ、死亡している。悲劇が再び起きたことに死亡した妊婦の夫は「この1年間、何も改善されていない。妻の死は何だったのか」と怒りをあらわにする。その通りである。「教訓が生かされてない」と批判されても仕方がない。
女性はようやく見つかった10カ所目の大阪府高槻市の病院に向かう途中、救急車内で破水し、その直後に救急車が軽ワゴン車と衝突した。
事故後、消防隊員が連絡すると、病院側は「処置は難しい。緊急手術も入っている」と断った。その後、大阪府内の2病院にも断られ、困った消防隊員が再び要請すると、高槻市内の病院は受け入れをOKした。結局、病院にたどり着いたのは、119番から3時間もたっていた。
奈良県では危険な状態にあるお産の周産期医療の搬送は、健康状態を把握しているその妊婦のかかりつけ病院が県内の2病院に連絡し、それぞれが受け入れ先を探す。この仕組みだと、比較的受け入れ先が見つかりやすい。
しかし、死産した女性はかかりつけの医者がいなかった。このため、一般の搬送の手順で消防隊が受け入れ先を探した。これが時間のかかった理由のひとつだという。
奈良県の幹部は「かかりつけ医のいない妊婦の搬送は想定外だった。すぐに対策をとりたい」と話すが、トラブルや事故は予期せぬ中で発生するのが常である。早急に抜本的対策をとる必要があろう。
周産期医療を扱う病院は、全国的に減少している。産婦人科医は内科医などに比べ拘束時間が長く、訴訟も多いからだ。
妊婦のたらい回しは、奈良県だけに限った問題ではない。厚労省は産科医などの医師不足対策に本腰を入れて取り組むべきである。
それにしても、痛みをこらえる患者をたらい回しにする行為は許されない。理由は「手術中」「ベッドがない」といろいろあるだろうが、患者を救うのが医師や病院の義務である。それを忘れてはならない。
(2007/08/31 05:02)
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大淀病院のときの日刊スポーツ「恥を知れ」と同レベル。
>次々と病院から受け入れを断られ、たらい回しにされた
だから,電話をあちこちにかけて次々に断られるのは「たらい回し」とは言わないって。
新聞社の人はホテルの予約のためにいろいろ電話してやっと10件目に予約がとれたら,「たらい回しの末にやっと10件目でホテルがとれたよ」って言うのか? 「たらい回し」を使うことによってネガティブな印象を植え付けようという悪気はわかるが,一応新聞社なのだからちゃんとした日本語使ってくれ。
>理由は「手術中」「ベッドがない」といろいろあるだろうが、患者を救うのが医師や病院の義務である。それを忘れてはならない。
現在手術中の患者をほったらかしにして新たな救急患者の対応をしろと? 夜中の手術でブラブラ見学しているだけの医師がいるとでも思っているのか。医師が手術や処置で手がいっぱいなら,たとえベッドが空いていたとしても断らざるをえないこともある。空床有り≠受け入れ可能ではない。まして「ベッドがない」ならどうしろというのだ? まさか「廊下のソファで」とか子供みたいなセリフが出てくるのか。
>「教訓が生かされてない」と批判されても仕方がない。
これは誰に向かって言っているのか?
現場は懸命に耐えている。奈良県立医大の医師たちも夜を徹して働いていた。
県立医大が正式に発表しているhttp://www.naramed-u.ac.jp/~gyne/2007.08.28.html。
当夜の当直は2名だったが翌朝「当直者1名は外来など通常業務につく、もう1名は代務先の病院で24時間勤務につく」と記載されている。マスコミはそれでも働きが足りないというのか。医師たちは目の前の患者を救うのに精一杯で,「大淀の件で断ったことが大問題になったから,今度からすべて引き受けよう」なんてことにはならない。
そういえば,シュード医療ジャーナリストの伊藤隼也とかいう人が「とくダネ」で奈良県立医大を批判していた
当日の県立医大の状況を知ってもまだ同じことを主張するのだろうか。
今度のことで,奈良の産科医の心はまたしても折れたことだろう。交代制の夜勤ではなく代休のない宿直という勤務形態で徹夜でがんばっていても評価されないどころか,すべてのメディアから責められる。本来宿直は電話番程度の仕事しかしないことになっている。宿直医が院外救急を受け入れるのは義務ではなく,ボランティアに過ぎない。そろそろ割り切って,本来の宿直業務だけを果たしたらどうです。「はい,○○病院です。えっ? 空きベッドですか? ええ,ありますけど。ただ,医師は宿直の私しかいなくて,夜勤の医師はいないんですよ。だから受けられません。明日も朝から手術に入りますので,もう寝ます。じゃ」
夜勤と宿直の区別がつかないマスコミはまた叩くだろうけど,身体は楽になるし,DQN症例を引き受けて訴訟に当たる確率も低くなるだろう。
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