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February 28, 2005

2月の反省

2月の勤務日数は16日,麻酔症例は47件だった。1日あたりの症例数は目標の3件をほぼ達成できた。平日の休みは3日あった。
以前はope出しの1時間くらい前に病院に到着し,病棟でその日の症例のカルテを予めチェックしていたが,最近は患者の入室と私の到着とがほぼ同じになってきた。ひどい時にはカルテを一度も見ないうちに手術が終わることがある。

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February 18, 2005

エピ考(3)

アナペインが発売された当初,持続エピのレシピにオピオイドを入れる必要はなくなるのではと期待した。実際,バルーン式持続エピのメニューに塩モヒやフェンタを入れず,0.2%アナペインだけにしたこともあったが,どうしても投与速度を上げないと除痛が得られず,痛みがとれるほど速度を上げる(4ml/hぐらい)と血圧が低下することが多かった。最近ではしかたなく,従来のようにオピオイドを混ぜて使っている。しかし,施設によってバルーン式簡易持続注入ポンプの容量や速度が異なっているため,施設ごとの調整が面倒である。0.8ml/hや1ml/hの固定タイプも結構多い。オピオイドを混ぜたとしても,このような低速で充分な鎮痛が得られるとは思えないのだが。また,アナペインの文献などには0.2%を6ml/hで投与するようなことが書いてあるが,こんなに入れると必ず血圧が下がると思う。

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February 14, 2005

エピ考(2)

産婦人科医は,全麻はしないけどエピとルンバールは毎日のように自分でしていることが多いらしく,エピには自信があるようだ。私がエピを入れているとき,背後から食い入るように見つめているのはほとんどが産婦人科医だ。なかには「俺のほうがこの麻酔科医よりエピは上手だ」と思っている産婦人科医も多いだろう。しかし,私は声を大にして言いたい。LとThでは難易度が違うのだ。
しかし,彼らがよく入れているL2/3あたりのエピが婦人科の術後鎮痛に有効なのだろうか?
もし有効なら,Th9/10などから入れる必要はないということになる。

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February 12, 2005

マンパワー考(1)

麻酔科医不足が最近クローズアップされている。今週水曜日(2/9)の読売新聞にも慶応大学の教授が「論点」で述べている。私は,いわゆる麻酔看護師(麻酔士)という新たな職業をつくるのには反対なので,武田氏の「専門医でない医師が避け始めた麻酔を,医師でない者に担わせるのは安全の向上につながらない」というフレーズには拍手喝采を贈りたい。
しかし,麻酔科学会がいろいろ努力をしても麻酔科医不足はなかなか解消しないと思う。なぜなら
(1)医師免許を持っていれば誰でも麻酔は行える。麻酔標榜医や専門医の資格は必要ない。麻酔の訓練を受け始めるにあたり,書類の申請すら必要ない。
(2)麻酔科以外の医師に「そちらの病院の麻酔科で麻酔を勉強したい」と言われて断るような病院(麻酔科)はまずない。どこの病院も麻酔科医不足なので諸手を挙げて歓迎してくれるはずだ。
(3)2年ほど麻酔科医として働けば,その病院で行われる手術の麻酔はたいていこなせる。異論もあろうが,実際3年目くらいからひとりでバイト麻酔していることが多い。

つまり,「麻酔をひとりで行えるようになりたい」と望む医師を阻むようなハードルは無に等しい。ただ,新しい研修医制度が始まったばかりの今はどこの科も人手不足のようなので,その医師が所属する医局側が「麻酔の勉強は後にしてくれ」と引き留めることはあるかもしれない。

一人前になるのにそれほど時間がかからない麻酔科医が一向に増えないのは,単に「麻酔科医なんかになりたくない」という医師が多いためだと思う。手術というものはやっていて楽しいらしく,外科系医師は年をとってもやりたがる,いやむしろ若い頃はなかなか重要な部分をさせてもらえないせいか,年をとってからのほうがいろいろできて楽しいようだ。一方,麻酔科はというと,偉くなればなるほど自分で麻酔をしなくなる。教授自らメスを振るう外科系医師は多いが,麻酔科の教授になっても(VIP患者やバイトは別として)麻酔を行っている人がどれほどいようか。

要するに,麻酔という仕事は「つらいばかりで楽しくない」からみんなが避けるのだと思う。

私は結構楽しんで仕事をしているほうだと思うが,長い手術は確かに退屈である。

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February 06, 2005

麻酔を“かける”

麻酔科医のなかには「ソースや醤油じゃあるまいし,『麻酔をかける』という表現はやめろ。『麻酔を行う』または『麻酔を施行する』と言え」と主張するひとがいる。しかし,私は麻酔をかけるという言い方は好きである。かけるという動詞は『魔法をかける』『術をかける』など,神秘的な行為に用いられるからだ。こんなことを言うと,頭の固い麻酔科医は「麻酔を魔法や魔術と一緒にするな。麻酔は科学だ」と反論するだろう。しかし,吸入麻酔薬の作用機序がよく分かっていないのは有名な話だ。「作用機序が完全に解明されていないと科学とは言えないのかね」と言われそうだが,自分が普段使用しているものが,実は科学的には正体がよく分かっていないというのは面白い。
エピがまだ外科系医師にそれほど知られていなかった頃,エピを十分効かせながら全麻を覚醒し,患者が痛みなくすっきり覚めるのを見た外科系医師のひとりは「魔法のようだ」と言ってくれた。そう,私は魔法のような麻酔を目指すとしよう。

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February 05, 2005

エピ考(1)

最近,毎日のようにエピを入れている。エピに関しては自分の中でもいろいろな葛藤,矛盾がある。脊髄損傷などのリスクがあるため自分から進んで入れたいとは思わないが,エピを入れられない患者の開腹手術や開胸手術ではスムーズに覚醒させる自信がない。常勤の麻酔科医がいる施設でもエピを全廃したところもあると聞いているが,術後鎮痛はフェンタIVのPCAあたりか。 フェンタをうまく使用すればエピなど必要ないかもしれないが,私が帰った後,病棟で呼吸抑制が起こるのが怖い。フェンタの遅発性呼吸抑制はモルヒネほどではないにしても,「エピを入れてほしい」という主治医の希望を退けてまでフェンタIVに固執するのも抵抗がある。結局,これからも毎日トーヒ針の先を脊髄近くまで進めなくてはならない。

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